番長DeNAをいきなり襲った大誤算 助っ人不在の開幕、得点力も投手の駒も不足

DeNA・三浦大輔監督【写真:荒川祐史】

4位・中日、5位・広島とは僅差 指揮官の腕の見せ所はこれから

DeNAは三浦大輔監督の就任1年目の前半を、31勝44敗11分。5位・広島に0.5ゲーム、4位・中日にも1.5ゲームの僅差ながら最下位で折り返した。4月に2引き分けを挟んで10連敗を喫するなど、スタートで大きくつまずいた原因は、コロナ禍で外国人選手の合流が遅れたことに尽きる。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い入国制限が行われていたとはいえ、球団によって外国人選手の来日スケジュールはまちまちだった。その中で、DeNAは開幕時点で全10選手が不在。三原一晃球団代表は「(苦戦の)最も大きな原因は外国人選手の入国が遅れてしまったことだと思う。戦力面、環境面を整えるのがわれわれの仕事。それができなかったことを大変申し訳なく思います」と謝罪した。

特に痛かったのは、タイラー・オースティン外野手、ネフタリ・ソト内野手の両大砲を欠いたこと。昨季20本塁打56打点のオースティン、同25本塁打78打点のソトの不在で、得点力が低迷した。マルテ、サンズの両外国人が開幕からクリーンアップとして機能した阪神などとの差は明らかだった。

さらに「男は黙って投げるだけ」を決めゼリフに、昨季まで3年連続50試合以上に登板してきたエドウィン・エスコバー投手まで欠き、継投にも支障をきたした。エースの今永昇太投手が昨年10月の左肩クリーニング手術の影響で出遅れるのは、開幕前から織り込み済みだったとはいえ、穴を埋める存在の台頭もなくチームの窮状に拍車をかけた。

顔ぶれ揃ってからは上昇、交流戦で球団史上最高タイ3位の大健闘

オースティンとソトは4月13日、2軍戦出場も経ず慌ただしく1軍に合流した。2人が徐々に試合勘を取り戻すのに伴い、チームも上昇気流に乗った。他の打者にも相乗効果を与え、佐野恵太外野手は現在リーグトップの打率.328。切り込み役の桑原将志も同3位の.318。.314で4位のオースティンと合わせて、リーグトップ5のうち3人を占めている。さらに同6位.302の宮崎敏郎内野手を含め、3割打者が4人。チーム打率.261はリーグトップだ。

エスコバーも4月20日に登録されて7回を任され、8回の山崎康晃投手、9回の守護神・三嶋一輝投手と合わせて勝利の方程式がようやく確立した。チームは交流戦で9勝6敗3分、球団史上最高に並ぶ3位という大健闘を見せた。

手薄な先発投手陣にも光明はある。今永が5月20日に1軍合流。初先発の同23日・ヤクルト戦は5回途中6失点と散々だったが、徐々に調子を上げ、今季8試合3勝2敗、防御率3.61。一方、自身5連敗を喫して2軍落ちした大貫晋一投手も、1か月の調整を経て、6月27日の1軍復帰後は3戦2勝無敗と好調だ。

戦力がようやく整い、ペナントレースはまだ残り57試合ある。ここからが新指揮官・三浦監督の腕の見せ所と言えそうだ。(Full-Count編集部)

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