【クライミング】楢崎智亜は五輪初代王者ならず「普段と会場や選手、空気感が違った」

総合4位に終わった楢崎智亜(ロイター)

夢、破れた。東京五輪のスポーツクライミング男子複合決勝で5日、青海アーバンスポーツパークで行われ、日本期待の楢崎智亜(25=TEAM au)がスピード2位、ボルダリング3位、リード6で全体4位で大会を終えた。五輪新種目の初代王者の期待が懸かったが、悲願はかなわなかった。

今大会から採用された同競技は登る早さを競うスピード、課題をクリアして登るボルダリング、登った高さを争うリードの順位を掛け算し、数字が小ささで勝負を決める。楢崎は最初のスピードで2位となり好スタート。2種目目のボルダリングでは1回目を完登したが、2、3回目は攻略できずに3位。この時点で3人が同点に並んだが、最終種目のリードで6位となってライバルに競り負け、栄冠を逃した。

試合後、楢崎は「ボルダリングの2回目ができなかったのがきつかった。今回はリードも悪かった」と反省点を挙げ「メチャクチャ悔しいですよ。でもしょうがないので」と淡々と語った。また、五輪の舞台については「ホントに難しかった。普段と会場や選手、空気感が違った」と話した。

小学4年生まで習っていた器械体操によって、しなやかで強靭な肉体の下地ができた。海外では「ニンジャ」と呼ばれる抜群の身体能力が武器。近年はメキメキと力を付けて金メダル候補と注目されてきた。大会前には「初代王者を狙う」と意気込みを語っていたが、有言実行とはいかなかった。

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