五輪空手、沖縄ゆかりの形の名響く チャタンヤラクーサンクー、トマリバッサイ…  清水選手も複数演武

 東京五輪で初めて採用された沖縄発祥の空手が5日、女子形を皮切りに始まった。「チャタンヤラクーサンクー」。決勝では日本代表の清水希容選手、スペイン代表のサンドラ・サンチェス選手が同じ形の勝負となった。県出身で6日の男子形に出場する喜友名諒選手の登場を前に、競技会場となった日本武道館には一足早く沖縄ゆかりの形の名が響いた。

 空手には無数の流派があり、あらゆる形がある中、五輪の形種目は世界空手連盟(WKF)の公認リスト102種類の中から選ばれる。同一大会で同じ形は2度使えないため、選手は複数の形を準備している。

 5日午前に行われた女子形の予選ラウンドには、日本代表の清水選手ら10選手が登場し、それぞれが2種類の形を演武した。

 この中で清水選手は「オヤドマリノパッサイ(親泊の抜塞)」などを選び、他の外国人選手は「チャタンヤラクーサンクー(北谷屋良公相君)」「トマリバッサイ(泊抜塞)」といった沖縄の名字や地名が入った形を選択した。特にチャタンヤラクーサンクーは高難度の形とされ、大会で演武する選手が増えている。

 女子形予選ラウンドで最も多く演武されたのは「スーパーリンペイ(壱百零八手)」で5人が選択した。

 喜友名選手は劉衛流の最高峰の形とされる「アーナンダイ(安南大)」などを演武すると予想される。

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