バルサ退団メッシの気になる移籍先 J1神戸に来る?「三木谷さん、お願いします」の声も

2017年にバルセロナと契約した(左から)楽天の三木谷会長、メッシ

まさかの電撃退団だ。スペイン1部バルセロナは5日(日本時間6日)、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(34)が正式に退団すると発表した。6月末でバルセロナとの5年契約が満了し、再契約に向けて合意に達していたものの、同リーグの財政上の規定(選手年俸上限など)を満たせなかった。今後に向けてマンチェスター・シティー(イングランド)やパリ・サンジェルマン(フランス)入りが有力視される中、ネット上ではJ1神戸入りの待望論が高まっている。

急転直下の退団発表となった。地元紙「ムンドデポルティボ」をはじめ各メディアはこの日、メッシとバルセロナが新たな契約を結ぶと報じていた。だが、クラブは公式サイトで「クラブと選手は新たな契約を結ぶことで合意に達していたものの、経済的および構造的な障害(リーグ規制)により締結できなくなった。双方は最終的に希望がかなわないことを深く遺憾に感じている」との声明を発表した。

同リーグは加盟するクラブの財政の健全化のため、選手年俸の上限を定めるなどのルールを厳格化。メッシは契約満了前の5年契約で年俸換算すると年間約180億円ももらっており、新たな契約では減額に応じたものの、約1400億円にもおよぶ巨額負債を抱えるバルセロナの経営状態を助けるまでには至らなかったとみられている。

メッシのバルセロナ退団が正式発表されると、サポーターらはクラブのオフィスがあるスタジアムに集結。「アス」紙によると、ファンらは発表に驚くとともに、退団を拒否するなどクラブへの不満を訴えたという。ただ、新型コロナウイルスの影響で夜間外出禁止令が出ていることから、集会の規模は数十人程度で深夜になる前には解散した。また、ファンらはメッシ残留を会長選の公約に掲げて当選したジョアン・ラポルタ氏に怒りを隠せず「だまされたと感じているようだ」と報じている。

バルセロナ下部組織出身のメッシは2004年にトップデビューして以降、クラブのタイトル奪取に貢献。リーグ優勝10回、欧州チャンピオンズリーグ制覇4回などクラブ全盛期を築いた。また個人としても世界最優秀選手賞バロンドールを6度も受賞するなど、誰もが認める世界ナンバーワン選手。それだけにフリーとなる今後の去就に注目が集まっている。

同国紙「アス」はメッシの今後について4つの選択肢があるとし、かねて移籍先として浮上するマンチェスターC、パリSGとともに、元イングランド代表MFデービッド・ベッカム氏が共同オーナーを務める米メジャーリーグサッカー(MLS)のインテル・マイアミ、さらにクラブ財政問題が解決されれば、バルセロナと再契約する可能性があると報じている。

「マルカ」紙はマンチェスターC入りが最有力とし、かねて加入がささやかれているパリSGについては「(フランス代表FWキリアン)エムバペの契約延長を優先しており、それを明確にしている」と報道。パリSGはフランスリーグの規制やクラブの財政面からも高額年俸のメッシを雇い入れるのは難しいという。

そんな中、ネット上ではバルセロナ化を加速させているJ1神戸にメッシ獲得を求める声が高まっている。「ぜひ神戸に来てほしい」「(楽天会長の)三木谷(浩史)さん、メッシをお願いします」などと待望論が続出。中には「(神戸の親会社となる)楽天がバルセロナのスポンサーをやめれば、その資金でメッシ獲れるだろ」と、楽天がゼッケンスポンサーとしてバルセロナに支払っている年間60億円を原資にする意見まで出ていた。さらに神戸に所属する元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタとの共闘を期待するなど、待望論は高まっているが、メッシがJリーグに興味を示すかは難しいところだ。また高額年俸やメッシが求めるクラブ戦力を満たせていないなどの理由から新天地選びは難航するとみられ、長期化は必至。今後の動向が注目されそうだ。

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