栃木県内23市町にまん延防止適用 酒類提供は原則禁止へ

栃木県が国の「まん延防止等重点措置」の対象に加わったことを受け、臨時の記者会見に臨む福田知事=5日夜、県庁

 政府は5日、新型コロナウイルス特別措置法に基づく「まん延防止等重点措置」の適用地域に栃木県、福島、茨城、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本の8県を追加した。期間は8~31日。県内の対象地域は茂木町と那珂川町を除く23市町で、同法に基づき、飲食店や大規模施設に午後8時までの営業時間短縮や、酒類の提供を行わないよう要請する。

 県は5日夜に対策本部会議を開き、県独自の警戒度レベルを最も深刻な「ステージ4」に引き上げ、県版の緊急事態宣言を発令することも決めた。

 県内の新規感染者は急増し、病床使用率は50%が目前に迫る。会議後の記者会見で福田富一(ふくだとみかず)知事は「救急医療など重要な一般医療に制限が生じる事態が間近に迫っている。県民の命と健康、暮らしを守るためのお願いだ」と訴えた。

 県版の緊急事態宣言では、全県民に対して不要不急の外出自粛を要請する。今回、対象地域外となった茂木町と那珂川町に対しても飲食店などの時短を求める。酒類の提供は午後7時までに制限する。

 重点措置の指定を受け、県は約130億円の補正予算案を編成し、時短要請に応じた事業者への協力金の支給額を増額。売り上げが減少した事業者に対しては10万円~20万円を支給する。

 病床の逼迫(ひっぱく)で自宅療養者は5日時点で約700人に上っている。支援策として3億円を計上し、医師による自宅往診を行うほか、保健師や看護師による健康観察体制の強化を図る。

 国のまん延防止措置では時短要請に応じなかった場合、20万円以下を科すことができる。福田知事は「悪質な場合は店名公表なども段階を踏んで対応する」と述べた。

 感染拡大が収まらない場合、国への緊急事態宣言発令の要請の可能性については「感染状況を考えれば全都道府県を宣言区域に指定する方が自然だ」とした上で「数日間で感染が爆発的に拡大すれば、緊急事態宣言の協議を国に求めることはある」との考えを示した。

「まん延防止等重点措置」での本県の対応

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