【岸本拓也が街をプロデュース】都会人の〝癒やしスポット〟になれる神奈川・秦野市

秦野市にオープンする「ツッパリの宿命~肌の純愛物語~」のポスター

日本全国に増え続ける面白い名前のパン屋のプロデューサー・岸本拓也氏が、もし地方の町をプロデュースしたら? 新規開店のために日本を飛び回り、地道な調査を重ねる岸本氏。蓄えた知識を町おこしに生かしてもらおう、という連載です。

【神奈川・秦野①】

今回からは、神奈川県秦野(はだの)市の、美しい名所とおいしいものについてお話ししましょう。

神奈川県の中西部に位置する秦野市。小田急電鉄の「秦野駅」という駅がありますが、かつては「大秦野(おおはたの)」といいました。学校や企業施設などでは今でも「はたの」という名前が使われることもあり、「はだの」と呼ぶ人と「はたの」と呼ぶ人に分かれていますが、正式には「はだの」なんです。

秦野市の人口は、約16万人。人口が10万人を超えるというのは、一つの大きな指標になりますね。パン屋さんを作るときはいつも、お店を出す地域の人口を調べますが、10万人を基準に出店ビジョンを考えています。

秦野市の面積は103・61平方キロ。神奈川県内19の市の中で、5番目の広さを誇ります。神奈川には丹沢という有名な山があります。秦野市はこの丹沢山のふもとにあり、市の半分が山林。盆地となっている美しい市街地に、多くの人々が住んでいます。奥深い山々に囲まれているので、水が本当においしい。1985年には名水百選にも選ばれました。

名水百選としては、古代から住人の暮らしに利用されてきた「弘法の清水」が有名ですね。「今泉名水桜公園」では、湧き水や美しい桜を楽しめます。桜といえば、「白泉寺のしだれ桜」も一見の価値ありです。

レジャーが盛んな地域でもあります。丹沢山に登山をしに行く人もいれば、温泉に行く人も。秦野随一の温泉といえば「鶴巻温泉」です。実は、カルシウム含有量が世界トップクラスともいわれる名湯。駅近の施設が多いのも評判で、都心から日帰りで入りに来る方もいらっしゃるようですね。

私の会社は横浜市内にありますが、そこから車で小1時間。9月に「ツッパリの宿命~肌の純愛物語~」という新しいベーカリーを秦野市にオープンするので、最近よく歩くようになりました。行くたびに、おいしい水と美しい景色に癒やされ、リフレッシュできる場所です。

都心からほど近く、気軽に行ける癒やしのスポット。まずはこの魅力をPRすることが、町おこしの第一歩ではないでしょうか。

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