〈インターハイ〉相撲競技、糸魚川できょう開幕/糸魚川高相撲部で出場、寺﨑義博さん(79) 地元開催に感無量、海洋高相撲部にエール

 「令和3年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ)相撲競技・第99回全国高等学校相撲選手権大会」は6日、糸魚川市上刈4の市民総合体育館で開幕する。各都道府県の代表選手が高校スポーツ最高峰の舞台で8日まで熱戦を繰り広げる。かつて糸魚川高相撲部でインターハイに出場した同市中宿の寺﨑義博さん(79)は、地元開催と海洋高相撲部の活躍に期待する。

糸魚川高相撲部でインターハイに出場した当時を振り返る寺﨑さん。地元開催を喜び、海洋高相撲部にエールを送る

過去に糸高相撲部で出場

 寺﨑さんが出場したは62年前の1959(昭和34)年、大阪府立体育会館で開かれた第37回全国大会(現インターハイ相撲競技)。皇太子御成婚やメートル法の採用など、歴史的な出来事が多くあった年だった。

 同年の糸魚川高相撲部は、6月に開かれた全国高校相撲金沢大会で4位入賞、その勢いで県予選を制した。寺﨑さんは個人戦優勝も果たしている。

 本戦の団体戦は先鋒(せんぽう)・寺﨑(3年、浦本中出)、中堅・中島勝造(同、西海中出)、大将・渡辺茂(同、主将、糸魚川中出)、補欠・高尾正(2年、同)で臨み優秀16校(決勝トーナメント進出)、個人戦でも寺﨑が優秀32選手(同)に選ばれた。当時の寺﨑さんは、身長160センチ、体重66キロの小兵ながら四つ相撲を得意とし大型力士に臆することなく戦った。

インターハイ個人戦・3回戦で勝ち優秀32選手、決勝トーナメント進出を決めた寺﨑
インターハイに出場した当時の糸魚川高相撲部。同年6月の金沢大会で4位入賞した時の記念写真(左から渡辺、寺﨑、中嶋)

 「インターハイに出たことで全国に交流が広がった」。卒業後は高崎経済大に進学し、第一生命に就職。ブラジル駐在時代には同国の大会に出場し現地の子どもを指導するなど生涯、相撲との縁が続く。郷土に戻って現在は、東京糸魚川会副会長・糸魚川支部長、NPO法人糸魚川さじき席理事、糸魚川ジオパークガイドなどを務める。

 「大都市中心だったインターハイが糸魚川で開かれる。まさに夢のよう」と寺﨑さん。新型コロナウイルス感染防止で無観客になるなど制約のある中で、無事の開催を願う。

 出場選手のうち池田竜二選手(3年)は、寺﨑さんと同じ浦本地区中宿出身。地元で初出場を果たす。相撲の先輩の一人として海洋高相撲部に「気後れせず、意識しすぎず、技をかけるときは思い切りかけてほしい」などとエールを送る。

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