ボーダーレスにスポーツを楽しめる未来に向かって… パラリンピック開会式で旗手を務める岩渕幸洋選手の思い

暮らしに役立つ情報をお伝えするTOKYO MX(地上波9ch)の情報番組「東京インフォメーション」(毎週月―金曜、朝7:15~)。今回は東京2020パラリンピック卓球シングルス代表・岩渕幸洋選手のパラスポーツとその未来への思いや、取り組みについてを紹介しました。

◆Our Legacy「パラ卓球 岩渕幸洋」

東京2020大会が開催されるこの夏、東京で行われる様々な取り組みや、そこに関わる人々を紹介する、『Our Legacy』。
今回は、24日のパラリンピック開会式で旗手を務める、あの選手に、お話を伺ってきました。

東京2020パラリンピック卓球シングルス代表、岩渕幸洋選手。
1994年、東京都出身。先天性の脳機能障害で、両足首の可動域が狭く、左足に装具をつけてプレーをしています。

(パラ卓球・岩渕幸洋選手)
「(Q.どんなきっかけからパラ卓球を始めた?)僕が最初、卓球を始めたときは、自分が障害者だという認識がなかったので、パラ卓球というところが思いつかなかったんですけど、中学3年生のときに、当時、通っていたクラブのコーチに、『パラ卓球の試合があるよ』と聞いて、そこから(試合に)出場し始めたというのがスタートなんです」

中学の部活動で卓球を始めた岩渕選手。
3年生のとき、コーチに勧められたのが、パラ卓球との出会いでした。

パラリンピックの正式種目でもあるパラ卓球は、車いすと立位の2種類があり、障害の程度によって、それぞれ5クラスに分かれています。
その中で、岩渕選手は、立位の2番目に障害が軽い、「クラス9」に出場します。

(パラ卓球・岩渕幸洋選手)
「最初は、自分が全く想像できなかった世界なので、自分がいてもいいのかなっていう気持ちもあったんですけど、出てみて、他の選手たちと対戦して、全く勝てなくて、そこにいる選手たちが自分の障害を理解して、その中でどういう風に工夫してやっているのかというのを見ることができて、すごくそこから、自分もどんどん(パラ卓球に)はまっていったような感じですね」

「(Q.リオ大会に初出場したが、どんな大会だった?)自分の試合は記憶にないぐらい、何がなんだか分からないまま終わってしまったというのがリオ大会だったんですけど」

世界の壁の高さを実感した、リオ・パラリンピック。しかし、そこで、ある気づきが。

(パラ卓球・岩渕幸洋選手)
「ブラジルの観客の人も、日本人の僕を応援してくれたりだとか、パラリンピックってすごく面白いなと思えたのが、大きな経験で、そういった世界を、自分をきっかけにして多くの人に伝えていきたいというのは、そのとき、すごく感じました」

パラスポーツの魅力をもっと広めたい、そんな思いで、去年、ある取り組みを始めました。

(パラ卓球・岩渕幸洋選手)
「昨年は、『IWABUCHI OPEN』という大会を企画したり、そのときはコロナ禍で試合がなかったので、試合をする場をという思いから始まったんですけれども、その中で、パラ卓球というものを知ってもらいたいという考えから、企画しました」

知り合いの選手たちに声をかけ、障害の有無に関わらず競う大会を主催。
パラ卓球を見たことがない人たちからも、注目を集めました。

そんな岩渕選手が思い描く未来とは…。

(パラ卓球・岩渕幸洋選手)

「僕の東京パラリンピックの目標は、金メダル以上という風に思っています。その結果の先に、パラスポーツをプレーする人たちだけじゃなくて、見ている人たちにも楽しんでもらえる、パラスポーツを見る文化をつくっていけるように自分ができることをしていきたいなと思っています」

ボーダーレスにスポーツを楽しめる未来に向かって、旗を振り続けます。

岩渕選手が出場するパラリンピック男子シングルス卓球は、8月25日(水)から予選が始まります。

関連リンク
https://para-tokyo2020.tokyo/

<番組概要>
番組名:東京インフォメーション
放送日時:毎週月―金曜 7:15~7:20
キャスター:久保井朝美、中村美公
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/tokyoinfo/

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