カル・クラッチロー「突然戻ってきたのは不思議な気分。いい仕事をすることだけを考えている」/MotoGP第10戦スティリアGP

 8月5日、オーストリアのレッドブル・リンクで開催される2021年MotoGP第10戦スティリアGPを前にプレスカンファレンスが行われ、フランコ・モルビデリの代役としてペトロナス・ヤマハSRTから3戦に出場するカル・クラッチローが久々にレースに出場する意気込みを語った。

 モルビデリは左膝を負傷して、6月末に行われた第9戦オランダGPから欠場を余儀なくされた。その後、手術を受け、7月のサマーブレイクと後半戦の第10戦スティリアGP、第11戦オーストリアGP、第12戦イギリスGPの8月末までの3戦の間、回復させる期間に費やしている。

 そのため、2021年からヤマハ・ファクトリー・レーシングのMotoGPテストライダーを務めるクラッチローが代役ライダーとして出場することになった。

 クラッチローは昨年までホンダのサテライトチームであるLCRホンダ・カストロールで参戦していたが、2011年から2013年までモンスター・ヤマハ・テック3でヤマハのマシンを駆った経験がある。

 3月に行われたカタール公式テストでヤマハYZR-M1を走らせているが、ヤマハのマシンでレースをするのは8年ぶりだ。レースでの明確な目標は立てていないというが、今後のテストや開発にも役立つ参戦になるだろう。

カル・クラッチロー(ペトロナス・ヤマハSRT)/2021MotoGP第10戦スティリアGP

「バレンティーノ・ロッシが引退を発表した週末にチームメイトとして、ペトロナス・ヤマハSRTに加入できたのは素晴らしいストーリーだと思う」とクラッチロー。

「引退をしていたから突然戻ってきたのは不思議な気分だ。ヤマハのテストライダーとして行ってきた仕事とは、かなり異なる感覚だが、レースに参加するのをとても楽しみにしている」

「ここから3戦に参戦することは、ヤマハ、チーム、僕の3者で共同で決断した。残念なことに、フランコが怪我をしてしまったから早期復帰を願うよ」

「基本的には、アッセンで走ることを頼まれたけど、日本でのテストを計画していた。残念なことにキャンセルとなってしまったから、長い間バイクから離れていて……4月からどんなバイクにもまったく乗っていないね」

「もしピットレーンで止まっているところを見たら、それはバイクがエンジンストールしたからだよ!でも、グッドなチームでにグリッドに立つことがすべての関係者にとって良いこと。この週末がどうなるか楽しみにしているよ」

「オーストリアは流れるような高速コースではなく、素早さと精確さが求められる。これまであまり良い経験がないが、2018年には4位を獲得している。今回は決勝の最終順位に目標を置かず、セッションごとに進化することを目指す。チームのためにいい仕事をすることだけを考えているよ」

2021年MotoGP第10戦スティリアGPのプレスカンファレンスに出席したライダー

 また、ホームグランプリとなる第12戦イギリスGPについてもクラッチローは以下のようにコメントした。

「シルバーストーンでは何年もレースをしてきた。素晴らしい結果を残したこともあれば、悪い結果を残したこともあるが、地元の観客の前でレースをするのはいつも特別なことで、週末にはいつも僕のことをサポートしてくれるんだ」

「多くの場合、グリッド上で唯一のイギリス人ライダーであったことは非常に幸運だったが、そうでないときも同じように応援してくれたね。素晴らしい雰囲気だし、シルバーストンに行って、このスポーツにふさわしい、シルバーストンにふさわしい満員の観客を見ることができるのはいいことだと思う。僕が3回のグランプリを行う週末にこのイベントが開催されたことを、シルバーストンはとても喜んでいることだろう!」

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