8月30日まで 十朋亭維新館で「山口に生き続ける殿様 敬親公」展  山口市菜香亭でも「毛利敬親と野田御殿」

▲「山口に生き続ける殿様 敬親公」展示の様子(十朋亭維新館)

 2021年は第13代長州藩主・毛利敬親(1819~71年)の没後150年にあたる。これを記念して山口市内の2施設で、8月30日まで敬親に関する企画展が開催されている。

   

「山口に生き続ける殿様 敬親公展」

   

 まず、十朋亭維新館(山口市下竪小路)では、企画展「山口に生き続ける殿様 敬親公」が、本館展示室で開かれている。    

 5月26日に始まった同展は「毛利敬親とその死」「追悼とまつり」「顕彰」の三つの章立てで構成。敬親死後も彼を慕う多くの人々によって語られ、見つめ直されることによって形成されてきた敬親像に焦点を当て、資料20点とパネルで紹介されている。    

 会期中に展示替えがあり、7月14日以降は後期展が開催中。新たな資料として、敬親直筆の一行書や、敬親などの銅像5基が亀山山頂に建てられた際、洞春寺で開かれた記念展覧会の出品目録、精細な着色図として今に残る毛利幾之進(吉敷毛利家14代目当主)の甲冑図などが並ぶ。    

 また、8月29日(日)午後1時半からは、同施設学芸員の立石智章さんによるギャラリートークが開かれ、展示ストーリーや資料についてわかりやすく説明してもらえる。入館後、参加は無料(要入館料)で、事前申し込みも不要。定員は当日先着8人。    

 立石さんは、「敬親は幕末の激動期に藩政を改革して明治維新の大業を成し遂げ、藩庁を萩から山口に移したいわば“山口を作った恩人”ともいえる人。この機会に、敬親に思いを馳せてもらえれば」と話す。     

 また、同じフロアには常設展示もあり、十朋亭と萬代家の歴史が紹介されているほか、幕末・明治維新の山口地域の歴史をプロジェクションマッピングによる映像と音楽で見ることもできる。    

 開館時間は午前9時から午後5時までで火曜休館。入館料は高校生以上200円、小中学生100円。問い合わせは同施設(TEL083-902-1688)へ。

   

「毛利敬親と野田御殿」

    

▲「毛利敬親と野田御殿」展示の様子(山口市菜香亭)

    

 敬親の隠居所「野田御殿」跡地に建てられた山口市菜香亭(山口市天花1)では、同じく8月30日(月)まで、企画展「毛利敬親と野田御殿」(後期展)が開催中だ。6月30日から始まった後期展では、藩士井上馨、高杉晋作、木戸孝允、山縣有朋に加え、今回初登場する山田顕義の等身大パネルなどが並ぶ。また、毛利元昭と井上馨の書軸、藩士関連史跡パネル、一般募集で8人から寄せられた野田御殿情報、毛利元徳および敬親の動静を記した編さん物「明治3年日記」も展示される。    

 開館時間は午前9時から午後5時までで火曜休館。入館料は高校生以上100円、小中学生50円。     

 また、8月21日(土)午後6時から7時45分まで、毛利博物館顧問の小山良昌さんによる講演会「藩主毛利敬親~藩政改革と野田御殿」が開催される。定員は60人で、希望者は、同施設(TEL083-934-3312)へ事前申し込みが必要。聴講料は200円で入館料は不要。

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