新潟県佐渡市、村上市、小千谷市などでハーバードなどの海外大学院で学位を取得できる留学制度が創設

左から小千谷市の大塚昇一市長、村上市の 高橋邦芳市長、佐渡市の渡辺竜五市長、新潟県福祉保健部の松本晴樹部長

新潟県と佐渡市、村上市、小千谷市は6日、今年6月に発表された柏崎総合医療センター(柏崎市)に続き、ハーバードなどの海外大学院で学位を取得できる海外支援留学制度が佐渡総合病院(佐渡市)、村上総合病院(村上市)、小千谷総合病院(小千谷市)、燕労災病院(燕市)に創設されることを発表した。

研修医をしながらオンラインを中心とした海外留学を支援する制度。上記病院の臨床研修医を対象に、ハーバード大学などの公衆衛生学修士(MPH)などが取得できるオンラインを基本とした海外留学を支援するもので、旅費を含む1,050万円を支援する。

今年12月に受験があり合格発表は来年春。ハーバード公衆衛生学修士オンライン疫学専攻の場合、9月から5月にオンライン講義を受け、6月に1カ月間現地に行く(2年間)。学習内容は、統計、疫学、医療ビッグデータの扱い、臨床研究手法、医療マネジメント、感染症など領域別疫学、医療経済となっている。なおハーバード公衆衛生には医療ビッグデータの扱いに強い教授陣のほか、助教授にモルデナのワクチンを開発した博士などがいるそうだ。

一方、近年は臨床研修をしながらプラスアルファの能力を身につけたいと考える学生が増加していて、オンラインで海外有名大学の学位などが取得できるコースも急増しているという。こうした背景もあり、上記4病院では、海外留学支援制度を導入することを決めた。このため制度の導入には、新潟から世界に貢献できる人材を育成する狙いがある。

厚労省出身で現在は新潟県福祉保健部長の立場にあり、また自らもハーバード大学公衆衛生学修士を取得している松本晴樹氏は、「新潟から世界で通用する人材を輩出する、というブランドイメージを作ることで(医師確保の政策ではなく、自然に)医師が集まりやすい環境を作っていきたい」と話していた。

また医療面でも課題の多い新潟県をフィールドに、取得したスキルを活かし課題を解決してほしいという狙いもある。実際、この制度には、地域医療への貢献などの条件があり、佐渡市総合病院の欄には、「佐渡市政策アドバイザーに一定期間就任」と記載されている。

新潟県の報道資料より

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