“モータースポーツのオリンピック”FIAモータースポーツ・ゲームスは21年も開催されず。22年に延期

 FIA国際自動車連盟とSROモータースポーツ・グループは、2021年10月に開催を予定していた“モータースポーツのオリンピック”とも言えるFIAモータースポーツ・ゲームスについて、新型コロナウイルス感染拡大による競技者、スタッフ、およびコミュニティの安全確保、世界各国の参加者の渡航制限を考慮し、2022年にリスケジュールすると発表した。

 FIAモータースポーツ・ゲームスは、FIAとSROが企画して生まれたイベント。2019年にイタリアのバレルンガで初めて開催され、フォーミュラ、GT3、ツーリングカー、カートスラローム、さらにグランツーリスモSPORTを使ったデジタルなどのさまざまなカテゴリーを同週末に実施。上位にメダルを授与する国別対抗戦として争う、モータースポーツ版のオリンピックとも言えるイベントだ。

 その2回目として予定されていた2020年のイベントはコロナ禍の影響で延期、さらに開催はキャンセルに。2021年はラリー系の競技を追加し、フランスのポールリカールで10月に開催される予定だったが、FIAとSROは8月6日付けで、新型コロナウイルス感染拡大の影響による競技者、スタッフ、およびコミュニティの安全確保など継続的な課題に照らし、2021年の開催を2022年にリスケジュールすべきと発表した。2022年は10月29〜30日開催予定で、場所は同じくポールリカールとなる。

 またFIAとSROは、このイベントは世界中のコンペティターを招くことが目的であり、世界中の渡航制限と各国自動車連盟への負担などの影響が考慮されたとしている。渡航制限により参加者が減ることは、FIAモータースポーツ・ゲームスの普遍的な精神を弱めるとしている。

 一方で、主催者はモータースポーツ・ゲームスの精神を祝うべく、2021年10月30〜31日の当初開催日程で、グローバルなデジタルイベントを開催する取り組みを進めており、詳細は間もなく発表されるとしている。

「今回の延期は、世界がまだ直面している渡航の困難を考えると、避けられない決定だ。FIAモータースポーツ・ゲームスは、モータースポーツのファミリー全員が集まり、団結し、スポーツへの情熱を共有する特別な機会だ。2022年、各国の自動車連盟とチームに会えることを楽しみにしている」とFIAのジャン・トッド会長は語った。

 またSROモータースポーツ・グループのファウンダー兼CEOのステファン・ラテルは、「世界中からコンペティターを集めることは、モータースポーツ・ゲームスの重要な要素だ。2021年は不可能であり、2022年にスケジュールを決めることは正しい決断だと思う」と語った。

「この決定は残念だが、モータースポーツ・ゲームスの哲学に正義をもたらし、真にグローバルなイベントを開催するという我々のコミットメントを示している。我々は2回目の開催に向けた準備を進め、2021年のデジタルプロジェクトに関するニュースを届けられることを楽しみにしている」

2019年モータースポーツ・ゲームス ローマをパレードする濱口弘/笹原右京組ランボルギーニ・ウラカンGT3

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