【キャンプの基本シリーズ5】積載・仕込み・シミュレーション! キャンプ初心者のための前日準備のすすめ

キャンプの前日。何を用意したら良いのか、何を考えたら良いのかと悩んでしまう方は多いかもしれません。特に初心者キャンパーは、しっかりと前準備したつもりが、当日、「アレを忘れた」「コレを忘れた」とパニックになってしまうことも。今回は、キャンプ歴40年のアウトドアライターである筆者が、キャンプ前日にする準備すべきことについてお話したいと思います!

キャンプ初心者が前日にすべき準備〜荷物編〜

筆者インスタグラムより画像参照:https://www.instagram.com/p/CIuIuFhBzRX/?utm_source=ig_embed&ig_rid=4cd1a1b6-c3a5-49ee-b33f-c381c770b215

「キャンプ前日にする準備?」僕は正直毎回同じなので、何も考えずに車に荷物を積み込んで終了。なんて言ってしまうと話は終わってしまいますが、何も考えずに荷物を積み込めるというのは、キャンプ前日のルーティンが確立できているということ。そうなるまでにはやはり試行錯誤があるわけです。

今回は、キャンプ歴40年のアウトドアライターである筆者が、初心者でもキャンプ前のルーティンを確立できるよう、前日にする準備についてお話したいと思います。

1.設営の流れをシミュレーション 逆算して詰め込むべし

キャンプ場に着いて一番困るのは荷物を忘れること。

「テント忘れた!」「寝袋忘れた!」なんてことになったら、眠るどころか宿泊することすらできません。でも、実は初心者にはありがちな失敗なんです。

キャンプ場でアタフタしないためにも、前日にキャンプ場に着いてからキャンプサイトを完成させるまでの行動をシミュレーションしてみて下さい

例えば……

キャンプ場到着

全体のレイアウトを考える

テントを張る(テント、ペグ、ハンマー、ロープ)

タープを張る(タープ、ペグ、ロープ、ポール)

ダイニングを作る(テーブル、椅子)

キッチンを作る(キッチンテーブル、ツーバーナー、食器)

ランタンを設置する(ランタン)

キャンプサイト完成!

このような流れを頭の中でシミュレーションしてみると、どの道具がどのタイミングで必要になるかわかるはずです。

つまり、荷物を詰め込む(もしくは車などに積み込む)際は、シミュレーションとは逆の順序で詰めて行くのがポイントです。

上記の場合だと、

ランタン→キッチン関連→テーブル、椅子→タープ関連→テント関連

という順番が良いでしょう。

キャンプ場についたらまず始めにテントを張りますので、車の扉を開けて一番手前にテントがあるのが理想というわけです。

2.忘れ物をしないためにコンテナにまとめるべし

テントやタープなど、大きなものは忘れないとしても、やはり忘れ物で多いのが小物です。

僕の場合、小物はコンテナ2つに分けてキャンプに持っていきます

筆者撮影

左のコンテナはこまごまとした物が入っていて、右は食器やカトラリーが入っています。

筆者撮影(この中の一番のお気に入りは、網走監獄で購入した前掛け。)

ルミエールランタンや予備のホワイトガソリン、ODやCB缶、蚊取り線香やランタン、キッチン用品など、こまごまとした物はすべてコンテナに入っています。

筆者撮影

キッチン用品は簀(す)巻き状に収納し、キャンプ場ではこれをそのまま広げて吊り下げて使います。

筆者撮影

意外とあると便利なのは自在ロープです。

風が強かったりタープを変形させて張るときに活躍するので、数本持っておくと良いでしょう。

筆者撮影

このようなコンテナにはガサガサっとラフに積み込んでおきましょう。

きっちり詰め込みすぎるといつもパズルをしなければならなくなりますので、余裕をもって収納できる容量にしておてくのがポイント。

筆者撮影

もうひとつのコンテナには食器類をまとめて入れておきます。

いつも同じものが入っていれば、これを持って行くだけで食器類を忘れることがなくなります。

特に気をつけたいのは、スキレットやホットサンドメーカーです。

家用とキャンプ用を兼用してしまうと、コンテナから出して家で使い、そのまま入れ忘れてキャンプに持って行けないことがあります。

可能な限り兼用ではなく、キャンプ用を別に購入して、必ず同じ場所に入れるようにしましょう。

筆者撮影

ちなみに、写真に映っているホットサンドメーカーのカバーは自作です。よく見ると、右と左のボタンのオスメスが逆になっているのはご愛嬌。

筆者撮影

また、CHUMS(チャムス)のテーブルクロスウエイトはお気に入り。キャンプ場では風でテーブルクロスがバタつくことがあるのですが、四隅にこれを付けておけば、バタつきも抑えられ見た目も可愛いです。

【荷物の詰め込み・積み込みで意識するべき3つのポイント】

筆者撮影

荷物の詰め込み・積み込みで筆者が3つだけ気をつけていることがありますのでご紹介します。

(1)キャンプから帰ったら荷物はすべて降ろして元の場所に戻しておく

道具は積みっぱなしにせず、すべて降ろして元の場所に戻しておくことで、忘れ物や破損に気づくことができ、ギアをいつもきれいに保つことができるようになります。

(2)いつも積む場所に同じものを積む

荷室の形によって、隙間や形、大きさなどが、ジャストフィットする場所があります。それらのギアは常に同じ場所に積み込むことで効率よく積み込めますし、忘れることもなくなります。

(3)キャンプに行く前に必ず道具のメンテナンスを行う

ホワイトガソリンやガスの補充、ランタンのマントルの破れや各箇所の増し締めは前日の内に必ず行います。もちろん、予備のマントルや燃料も確認しておきます。

キャンプ初心者が前日にすべき準備〜料理編〜

キャンプでの一大イベントは食事です。一番の楽しみでもありますが、これを失敗するとすごく残念なキャンプになってしまうことも。

キャンプでは家と違って大きな冷蔵庫も電子レンジもありません。ガスコンロは火力も違いますし、すぐ横に流し台があるわけでもありません。キャンプ前日にしっかりと準備をしておけば、ストレスなくキャンプ飯を楽しめますよ。

炭火や焚き火を使って調理をするなんて、キャンプならではでワクワクしますね~。

1.家との調理方法の違いを味方にした献立を用意するべし

献立や材料ももちろん大事ですが、キャンプ飯を作る上で一番大事なのは、いかに家との調理方法の違いを味方にできるかどうかです。

炭火の上で、スキレットできれいな出汁巻き玉子を作ろうなんて考えても、おそらく失敗するでしょう。

同じ鶏肉を焼くとしても、炭火にするのかツーバーナーを使うのか、スキレットかダッチオーブンか、網かフライパンか、など、たくさんの選択肢の中から最適なものを選びましょう。

2.前日までに下準備(仕込み)をしておくべし

特にキャンプ初心者の皆さんには、微妙な火加減が必要な調理は潔く諦めて、煮る・蒸すなど、目を離しても多少は許容される料理をチョイスするのがおすすめ。失敗しにくいので先に調理をし始め、焼き物からは目を離さずできあがったら先に出すようにしましょう。

メニューは事前に下準備(仕込み)をしておいて、当日は煮る・蒸す・焼くだけにしておきます。

筆者撮影

僕が最近はまっているのは、「炭火もも焼き器」を使い炭火で焼いたヒネ鶏の炭火焼です。

「ヒネ鶏」とは、卵を産み尽くしたメス鶏のことで、「親鶏」や「廃鶏」とも言います。

たっぷり塩コショウを振って炭火で焼くだけで最高のつまみに。肉は固めでコリコリとしていて、噛めば噛むほど味が出てきてビールが進みます。

これを家ですると、脂が周囲に飛び散って後の掃除が大変なので家では味わえない一品です。

仕込みは、事前に小さめに切って冷凍しておくだけ。キャンプ当日には保冷剤の役目もしてくれますし、キャンプ場で包丁を使う必要もなくなります

3.切らない洗わない キャンプ飯は一工程で済ませるべし

僕のキャンプ飯はほとんど一工程で済ませ、洗い物はできるだけ少なくなるようにしています。

例えばパスタの場合、パスタを茹でてソースを作り絡めるという二工程調理となり、コンロを二口占領してしまいますよね。茹で汁の処理も炊事場まで行かないとできませんし、洗い物も増えてしまいます。

筆者撮影

もちろんキャンプ場でこだわりの料理に挑戦したい方は構いませんが、スムーズにキャンプがしたい初心者の方は、ぜひ一工程でできるシンプルな料理に挑戦してみてください。

また、洗い物を減らす工夫もしてみましょう。例えばスキレットやホットプレートを使った料理なら、そのまま食器としても使えます。洗い物もそれだけ減らすことができるのでおすすめです。

筆者撮影

スペアリブはキャンプ飯の定番ですが、この様にジャガイモもたまねぎも皮のまま一緒に蒸し焼きすることで、水分が中に閉じ込められてびっくりする程甘くホクホクで美味しくなります。

キャンプ場で野菜の皮を剥いたり切ったりする手間や時間を大幅にカットできるので、こういった料理もおすすめ。

筆者撮影

もちろんスペアリブも、前日、家で漬け込んでジップロックに入れておきます。キャンプ場ではそのままダッチオーブンに入れるだけですので、凄く簡単で美味しいバエ料理の筆頭です。

まな板や包丁を使うこともなく洗い物も減り、生ごみも最小に抑えられます。

筆者撮影

写真はキャンプで時々作るベイクドチーズケーキ。

型に粉々にしたビスケットとバターを混ぜたものを敷きつめて、クリームチーズと砂糖、薄力粉、玉子、生クリーム、レモン汁を混ぜたものを流し入れ焼き上げるのですが……。

これを一からキャンプ場で作ろうと思ったら、非常に大変です。

「キャンプ飯は一工程で洗い物は極力少なく」が信条なので、すべて前日の内に準備しておきます。

筆者撮影

この様にタネを事前に家で混ぜておき、ジップロックに入れておきます。

筆者撮影

ビスケットを砕くのは面倒なので、市販の台を用意して、キャンプ場ではジップロックの角を切ってタネを搾り出していきます。

筆者撮影

ジップロックが絞り袋の役割を担ってくれるので綺麗に搾り出すことができますし、このまま捨てられるので洗い物はなし!

冷やせばレアチーズケーキに、型に入れて焼き上げて冷やせば美味しいベイクドチーズケーキの出来上がりです。

キャンプ初心者こそ前日の準備は抜かりなく! ハプニングも楽しめる野遊び人を目指そう

初心者キャンパーは、前日の準備を抜かりなく行うことで、安全で快適なキャンプを楽しむことができます。それが板についてきたら、脱・初心者キャンパーも近いかも?

そして「テント忘れた!」「寝袋忘れた!」なんてハプニングまで楽しめるようになったら、あなたは本当の野遊び人。「テントがなければ車中泊すれば良いわ〜」「タープを低く張ってテントの代わりにすれば良いわ〜」そんな風に臨機応変に対応できるだけのスキルが身に付けば、野遊びがもっと楽しくなりますよ。

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