2021年お盆渋滞を予想! 混雑具合は2019年と同レベルと予測、台風接近や首都高上乗せ料金も要注意

今年もお盆休みの季節がやってきた。例年なら帰省や行楽に向かうクルマの延々数10キロに及ぶ交通渋滞の様子が報じられる頃だが、コロナ禍が続く2021年のお盆は、各高速道路会社からの渋滞見込みの情報も発表されておらず、予想もつきづらい状況にある。自動車生活ジャーナリストの加藤 久美子氏が、過去2019年のお盆状況や、直近1年間の混雑具合などから、2021年お盆期間の渋滞を徹底予測する!

上信越道上り線の渋滞(イメージ)

※掲載の道路画像は全てイメージです

お盆前半の8月7日(土)から9日(祝)にかけては台風も接近する見込み

コロナ前の2019年と同レベルのお盆渋滞も予想される

2021年のお盆休みは8月7日(土)~15日(日)という人が多いようだが、毎年発表されていた「お盆時期の渋滞予測」は今回も発表される予定がない。しかし昨年のお盆や今年のGW、7月の三連休の混雑状況からある程度の予想はできそうだ。

結論から言うと…天候などに大きな変化がなければ2019年とほぼ変わらないのでは?と予想できる。

8月7日以降、東海から関東・太平洋側に台風接近の予報

しかし、問題は早くも8月7日(土)の午前中から東海地方に台風が接近する予報が出ていること。その後、9日にかけて関東や東北地方太平洋側に影響する恐れもある。

2021年8月6日(金)午後6時気象庁発表の予報によると、台風10号で警戒・注意が必要な時間帯は以下の通り。

東海:強風 8月7日(土)朝→8月8日(日)夕方/強雨8月7日(土)朝→8月8日(日)昼前

関東:強風 8月7日(土)夕方→8月8日(日)夜/強雨8月7日(土)夕方→8月8日(日)昼過ぎ

東北太平洋側:強風/強雨ともに8月8日(日)朝→8月9日(祝)未明

<※気象予報は最新の情報も併せてご確認ください>

お盆休み開始直後の週末は東海~東北太平洋側までが台風の影響を受けそうである。

大雨による通行止めや事故発生による渋滞なども考えられるため、最新の交通情報をチェックして安全な移動を計画して欲しい。

お盆期間中は休日割引などなし! ただし深夜時間帯はお盆でも割引される

なお、2021年4月29日から8月22日までとしていた休日割引の適用除外が8月29日まで延長となっていることにも注意したい。いずれにしてもお盆時期の休日割引はナシ。ただし、深夜割引(0時~4時の間にNEXCO3社が管理する割引対象区間を走行)は曜日を問わず対象の時間帯であれば約30%オフとなる。

暑さや混雑を避けて涼しい時間帯に移動するのもおすすめだ。

2021年夏に首都高を使う際には注意! 8月9日までは首都高料金上乗せ&夜間大幅割引

「東京2020大会における首都高速道路の交通対策」[首都高Webサイト特設ページ(https://www.shutoko.jp/ss/info2020/)より]

また、東京2020大会(オリンピック・パラリンピック)が開催される2021年特有の事情として気を付けたいのは、ETC車の「軽・二輪、普通車」のうち、自家用乗用車を対象に8月9日までは首都高料金が時間帯によって大きく変わることだ。

例えば、静岡や神奈川から東名高速道路を使って首都高を経由して東北道や関越道、常磐道などの高速道路を使うような場合、8月9日まで6時から22時の間は首都高のルートによっては通常料金+1000円の上乗せとなる(貨物車は適用外)。

渋滞・混雑を避けるため、あえて1000円増しで空いた首都高を活用する方法もある

いっぽう、午前0時~4時は深夜料金として5割引き、4-6時、22-24時は上乗せも割引もない通常料金となる。

8月9日までに首都高を使って帰省する場合は上乗せ料金が適用される6-22時を避けての利用が賢明だが、渋滞している場合はあえて1000円上乗せとなる時間帯に空いている首都高を走ることもできる。

さて、それでは今年のお盆休み。高速道路の渋滞はどのように予測できるだろうか?

参考になりそうなデータをご紹介してみたい。

2021年お盆の渋滞予想が、昨年2020年のお盆や今年2021年のGW、直近7月4連休の混雑状況から見えてきた

昨年2020年のお盆時期、今年2020年のゴールデンウィーク(東京・大阪・京都・兵庫を対象に緊急事態宣言発出中)、そして直近2021年7月の4連休(東京・沖縄に緊急事態宣言他)の交通量を見てみよう。

ざっくりとみて、じわじわと交通量が復活していることがわかる。特に注目すべきは7月の4連休初日となる7月17日(土)で、コロナ前の2019年の同日よりも交通量が増えている区間もある。

直近の1年(2020お盆・2021GW・2021年7月4連休)における渋滞状況

●2020年8月お盆時期(8月7日~16日)[緊急事態宣言解除、GoToトラベル真っただ中]

NEXCO3社+本四の平均は小型車63% 大型車90%

東京湾アクアライン 川崎浮島JCT~海ほたるPA 2019年比96%

●2021年ゴールデンウィーク(4月28日~5月5日)[大都市に緊急事態宣言]

NEXCO3社+本四の平均は小型車52% 大型車93%

東京湾アクアライン 川崎浮島JCT~海ほたるPA 2019年比86%

※2020年の同時期は2019年比42%

●2021年7月17日土曜日(4連休初日)[東京と沖縄に緊急事態宣言他]

NEXCO3社+本四の平均は小型車90% 大型車89%

以下は7月4連休初日に2019年比で100%を超えた区間

東京湾アクアライン 川崎浮島JCT~海ほたるPA 2019年比116%!!

山梨県 E20中央道 相模湖~上野原 同105%

和歌山県 E42阪和道 みなべ~南紀田辺 同107%

山口県 E2A中国道 下関~門司港 同113%

群馬県 E18上信越道 松井田妙義~碓氷軽井沢 同104%

2021年7月の4連休、渋滞は例年並みかそれ以上の混み具合に戻っていた

東京湾アクアライン

7月の4連休初日の交通量は2019年比の全国平均で小型車が90%にまで回復しており、アクアラインでは2019年比の116%に増加している。

そのほか全国でも行楽地へ向かう高速道路としておなじみの区間は軒並み2019年よりも交通量が増えている。この区間はお盆時期も交通量が2019年レベルかそれ以上に戻る=渋滞発生が激しくなることが予想される。

2019年の高速道路渋滞予想がそのまま役立ちそうだ

※注意:「2019年お盆期間における主な渋滞予測区間」[NEXCO3社発表資料より]

このことから、渋滞予測としては2019年のお盆時期のものが使えそうだ。

参考までに2019年にNEXCO3社から出された渋滞予測を掲示しておこう。

なお、日にちと曜日は2019年8/10(土)→8/7(土)と読み替えてほしい。つまり日にちから3を引けば今年の曜日になる。下りのピークは8月7日土曜日早朝、上りのピークは早くも8月9日月曜日午後から始まり、8月14日土曜日の午後~深夜にかけてがピークとなりそうだ。

[筆者:加藤 久美子]

※道路画像は全てイメージです

© 株式会社MOTA