北陸瓦斯株式会社(新潟市中央区)が「火起こし体験」で子供たちへ火の扱い方を教えるイベントを開催

火きり棒による火起こし体験の様子

北陸瓦斯株式会社(新潟市中央区、北陸ガス)は7日、「火育イベント 親子で火おこし体験」を同社技術センター(中央区長潟)で開催した。イベントには主に技術センター周辺の学校へ通う小学生が参加し、火きり棒を使った原始的な火起こしを通じて火の扱い方を学んだ。

北陸ガスでは例年、同社の製品展示や仕事の体験、キャラクターショーなど様々な催しを行う「ガス展」を県内各地で開催してきたが、新型コロナウイルス感染予防の観点から昨年と今年は規模を縮小。火起こし体験も通常であれば「ガス展」などの大規模イベントに合わせて実施してきたが、現在は開催の機会が失われていた。

そうした中、北陸ガスでは「コロナ禍で遠出できない中でも、子供たちに特別な体験を提供できれば」と、火起こし体験単独の開催を企画。イベントの舞台となった技術センター周辺の小学校に通う生徒や、web上での告知を見た24組の親子から申し込みがあった。

イベントは4つの時間帯に別れ、各6組、計24組の親子が申し込んだ

参加者の男の子はうちわで火種を大きくする作業に苦戦する様子だったが、初挑戦で成功しスタッフも拍手で讃えていた

イベントでは、火の利用とともに進化してきた人類の歴史や、松明からガス灯、そして現在に至る技術の進化などを解説。その後、参加した親子は火きり棒を使って摩擦熱で着火する原始的な火起こし体験に挑んだ。

初めて火起こしに参加したという小学2年生の男の子は、火種に風を送って大きくすることに苦戦しつつも、1回目の挑戦で成功。「(火が大きくなった瞬間は)驚いたけど、慣れたら楽しかった。またやりたい」と顔をほころばせた。一緒に火起こしを体験した父親も「火きり棒を使うのは私も初めてだったので楽しかった。今は夏休み時期でも(新型コロナの影響を考えて)子供を遠くへ遊びに連れて行くことができないが、こうして近所で開かれるイベントは安心感もある」と話していた。

北陸ガス企画部の本間佑貴氏は「近年はIHの普及もあって、なかなか本物の火を間近で見る機会が子供たちから失われている。今回のイベントを通して、火の正しい扱い方とともに、『火はしっかり扱えば怖くないものだ』と子供たちへ伝えることができれば」と語る。なお今後の火起こし体験の開催については未定であるが、今回の反響も見て検討していきたいという。

北陸ガスのスタッフと火を起こす子供たち

着火した種火

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