平和の尊さ映像で表現 高校生が映画の予告編制作

故谷口稜曄さんにスポット「長崎の郵便配達」

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作品への思いを語る湯田さん(左)と三浦さん=長崎市立山5丁目、長崎東高

 核兵器廃絶運動をけん引した長崎の被爆者、故谷口稜曄(すみてる)さんにスポットを当てたドキュメンタリー映画「長崎の郵便配達」について、川瀬美香監督の依頼で被爆地長崎の高校生2組が予告編を制作、各1本が完成した。2組は長崎県立長崎東高2年の湯田寛太さん(16)ら3人のグループと、同県立長崎北高放送部(渡邊紗羽=さわ=部長・5人)。動画投稿サイト「ユーチューブ」で既に公開されている。
 映画は元英国軍人のジャーナリスト、故ピーター・タウンゼントさんが谷口さんらを取材して執筆した「ナガサキの郵便配達」が原案。ピーターさんの娘、イザベル・タウンゼントさんが2018年に来崎。長崎市内を巡って父の足跡をたどり、本に託された平和へのメッセージをひもといていく様子を撮影。7月に完成、全国公開は未定。
 ◆「僕たちの番」
 高校生による予告編の制作は、川瀬監督が映画の舞台である長崎の若者に作ってほしいと考えたのがきっかけ。知人の紹介で、動画制作の経験があった湯田さんや同部を知り、依頼した。

湯田さんらが制作した予告編のワンシーン

 湯田さんは同学年の友人、三浦幹広さん(17)と大渡玲央(れお)さん(17)に声を掛け、今年5月から制作に着手。現在の長崎の風景と本編の映像などを組み合わせるなどし、谷口さんの人生などを紹介する約4分の作品にまとめた。
 「平和を伝える役割はもうすぐ僕たちの番になる。でも思ったより知らないことが多い」というナレーションが印象的。映画を通じて、同世代の若者に被爆の実相を知ってほしいという思いを込めている。

「予告編の制作は楽しかった」と語る渡邊部長(左)と法村さん=長崎市小江原1丁目、長崎北高

 ◆部員が出演
 一方、長崎北高放送部は2年生の渡邊部長(16)を中心に、4月から動画の絵コンテ作りなどに取り掛かった。映画の予告編を作るのは初めてで「最初はプレッシャーがあった」と渡邊部長。構成などに悩んだが、イザベルさんがピーターさんの足跡をたどるため訪れた場所を、部員が歩いて追体験するという内容に。1年生の法村歩侑(ふう)さん(16)が出演し、約1分半の作品に仕上がった。
 画面を二つに分割し、同じ場所にいるイザベルさんと法村さんが同時に映るシーンを入れるなど、編集にもこだわった。渡邊部長は「完成したときは達成感があった。いろんな人に見てもらいたい」と話す。

長崎北高放送部が制作した予告編のワンシーン

 2作品は映画を手掛けた「ART TRUE FILM」のユーチューブチャンネルで公開している。