横浜市長選告示、過去最多の現新8人出馬 コロナ、IR争点に 22日投開票、激戦で再選挙の可能性も

横浜市長選に出馬した8候補。左上から下段に太田氏、田中氏、小此木氏、坪倉氏、福田氏、山中氏、林氏、松沢氏=いずれも8日、横浜市内

 任期満了に伴う横浜市長選が8日告示され、14日間の選挙戦がスタートした。立候補を届け出たのは、いずれも無所属の現職と新人の計8人で、過去最多の6人を上回った。新型コロナウイルス感染症への対応やコロナ禍に直面する市内経済の再生、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致の是非などが大きな争点になるとみられる。22日に投開票される。

 立候補したのは、届け出順に元市議の太田正孝氏(75)、元長野県知事で作家の田中康夫氏(65)、前国家公安委員長で元衆院議員の小此木八郎氏(56)、水産仲卸業社長の坪倉良和氏(70)、元衆院議員の福田峰之氏(57)、元横浜市立大教授の山中竹春氏(48)=立憲民主推薦、現職の林文子氏(75)、前神奈川県知事で元参院議員の松沢成文氏(63)の8人。

 届け出後の第一声で、太田氏は、市長給与を50%にして行財政改革に取り組むほか、「小中学校給食を無償化したい」と主張した。

 田中氏は、上瀬谷通信施設跡地に「医療、福祉、消防、救急の統合型レスキュー施設を作る」と訴えた。

 小此木氏は、IRを取りやめて「脱炭素社会を実現する。世界最先端を行く都市にする」と公約を説明。

 坪倉氏は、山下ふ頭に魚や食肉などの市場機能を集約し、料理も振る舞う「食の拠点」構想を披露した。

 デジタル政策を掲げる福田氏は「市民が役所に行かなくてもサービスが受けれるようにしたい」と強調。

 山中氏は「専門性を生かし、科学的な根拠に基づいて効果的なコロナ対策を実施する」と意欲を示した。

 林氏は3期12年の実績を示した上で「IR誘致のチャンスを逃すことはできない」と支援を呼び掛けた。

 松沢氏は「停滞した市政をフルモデルチェンジして全く新しい発想で町づくりを進める」と力を込めた。

 前回(2017年)の投票率は37.21%。市内では感染が再拡大しており、選挙活動や投票率に影響を与えそうだ。混戦は必至で、いずれも当選に必要な「法定得票数」に届かず再選挙となる可能性も指摘されている。

© 株式会社神奈川新聞社