米競泳選手が敗戦直後のインタビュー中止を求める「私たちの感情のすべてが公開される必要はない」

シモーネ・マヌエル(ロイター)

東京五輪競泳女子のシモーネ・マヌエル(25=米国)が、敗戦直後のインタビュー中止を訴えた。

マヌエルは自身のツイッターに一連の訴えをつづった。「大舞台で自分の目標を達成できなかったことを人々に見られた事実を処理しようとしながら、質問にまともに形で答えるのは、精神的にも感情的にも疲れてしまう。私たちの感情のすべてが公開される必要はないし、アスリートは、自分の魂のすべてを人に与える義務はない」

もちろんメディアの取材自体を否定しているわけではない。「大学で複数のジャーナリズムのクラスでコミュニケーションを学んだ身として、私はメディアの役割を理解している。決してメディアを攻撃しているわけではない。ただ、多くのアスリートが必要だと感じている解決策を提案したいだけだ」と強調した。

マヌエルは2016年リオデジャネイロ五輪では金2個と銀2個のメダルを獲得したが、今回は個人種目でメダルなしに終わった。アスリートのメンタルヘルス保護の重要性がクローズアップされている中で、ショックを受けた状態でインタビューを受けるつらさを感じただけに、何らかの改善が必要だと感じたようだ。

テニスの大坂なおみ(日清食品)もメンタルヘルス保護の観点から4大大会の全仏オープンで会見拒否を宣言して波紋を広げたが、アスリートにとってより良い形でのインタビュー実施を模索していく必要がありそうだ。

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