平和公園でリハーサル 8月9日 長崎原爆の日

平和祈念式典のリハーサルで、合唱を披露する純心女子高の生徒=長崎市、平和公園

 被爆地長崎は9日、76回目の原爆の日を迎える。平和祈念式典の会場となる長崎市松山町の平和公園では7日、リハーサルがあり、参加者が献花などの段取りを確認した。
 今年、核兵器廃絶に向けて世界的に大きな動きがあった。核兵器の使用や開発などを全面的に禁じた核兵器禁止条約が1月に発効。長年の念願がかなった被爆者たちは歓喜した。
 しかし、米国の「核の傘」に頼る日本政府は条約に参加しておらず、核保有国と非保有国の「橋渡し役」を務めるとの姿勢に終始する。田上富久市長は今年の平和宣言で、政府と国会議員に対し、第1回締約国会議にオブザーバー参加し、条約に署名・批准するよう強く働き掛ける。
 式典は9日午前10時45分に開式。新型コロナウイルス感染防止のため、昨年同様、席数を例年の4千席から500席に規模を縮小する。出席者は招待者に限定し、一般参列はできない。
 3月末現在の被爆者数は、県全体の7割を占める長崎市では2万4054人。昨年より1672人減った。平均年齢は83.65歳(男82.06歳、女84.52歳)で、高齢化も進む。体験を語ることができる被爆者は年々少なくなり、継承は喫緊の課題だ。
 リハーサルには、田上市長や小中高校生、被爆者ら約100人が参加。献水や献花の動きなどを入念に確認した。純心女子高の生徒は「千羽鶴」の合唱を披露し、美しい歌声を響かせた。

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