【アイスリボン】レスリング金・川井梨紗子に続く! 藤本つかさが異例の1日2王座戦「伝説つくります」

タッグ、シングルの王座戦をセミ、メインで連戦する藤本つかさ

女子プロレス「アイスリボン」の2冠王者・藤本つかさが異例の連戦に挑む。団体の「15周年記念大会」(9日、横浜武道館)では松本浩代とのインターナショナルリボンタッグ王者としてセミの防衛戦に臨み、メインではICE×∞王者として、その松本をV7戦で迎え撃つ。東京五輪閉会式の翌日に決戦を控えた心境を直撃した。

――「1日2試合でもタイトル戦をやってやる」と豪語する選手は多いが実際にやるのは異例だ

藤本 そこを裏切りたかったのが一番ですね。タッグ王者決定戦で、私と浩代さんはシングルが決まってるので、ないだろうと思われたのが悔しくて。そういう人たちにドヤ顔したかったんです。私たちタッグ王座を取りましたよ、全然タイトル戦をやりますよって。

――ファンの反響は

藤本 「想像より斜め上のところいきますね」とか「バカ負けしました」と(笑い)。第1試合でタッグ、メインでシングルと思ってた人も結構いて、試合順を発表したら「バカなの」っていう人もいました。関係者の方からも「何してんの?」って。でもそういうふうに言われるのは話題になってる証拠。してやったりかなと思います。

――セミは世羅りさ&雪妃真矢との初防衛戦だ

藤本 2人はチャンピオンになりたいというより、1年7か月ぶりに組めるという感傷に浸ってる気がする。だから相手は誰でもよかったんでしょって。私と浩代さんは敵だけど、ベルトを防衛する共通の目標があるので負けないなって思う。

――組んだ直後に松本と戦うことになる

藤本 切り替えは得意ですから(笑い)。もともと戦いたいと言ってた人(松本)に「組みたい」と言われて、そっちの切り替えの方が難しかった。組むことにちゅうちょしてたけど、それがしっくりきたから、ベルト防衛した後のシングルの方が調子づくのかなと思います。それに私の場合は新人のころから2大会、3大会とか普通にあった。昼興行と夜興行でタイトルマッチをやったこともある。連戦はレスラーズハイになりやすいので、〝スタミナお化け〟と言われる私にとっては有利です。

――改めて松本浩代の存在は

藤本 私は同じ団体に所属して活動してきた。松本さんはフリーだけど、どこの団体に出てもメインを張ってる。環境も違うので、そういうお互いのプライドがあります。私はどこのプロレス団体も結果だけは見るんですけど、いつも「松本浩代が勝ってるな」「またメイン張ってるな」って。どこでも中心なんだよなって思います。

――団体にとっても節目の大会だ

藤本 15年のうち私は13年いましたけど、節目って人を奮い立たせてくれますよね。特に今は東京五輪を見ていて感動しましたし。人間の生きざまがぶつかり合うのが素敵だなって。特にレスリングの(姉・梨紗子と妹・友香子の)川井姉妹に。

――姉妹で金メダルを獲得した

藤本 妹が先に金を取ってプレッシャーだろうなと思っていたら、そういうところから金を取るお姉ちゃんってかっこいいと思って。勇気をもらったし感動ももらった。感動の種類は違うけど、今度は私が2連戦で!って思いましたね。私も「ケガしたらどうするんだ」とか「セミでボロボロになってメインとして成立しないんじゃないか」という声もあるけど、結果で変えたいですね。

――女子プロレス大賞を受賞した2018年度の東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」では、川井梨紗子がレスリング特別表彰を受賞。この時に同賞だった須崎優衣、向田真優、乙黒拓斗も金メダルだ

藤本 そうなんです! すごい、きてますよ。私、川井梨紗子さんと(写真撮影で)隣に並んだんです。感動をもらったので、今度は私が感動させたい。試合は東京五輪の閉会式の翌日ですけど、まだ感動は終わってないよって。

――最後に

藤本 11月13日に大田区総合体育館でもビッグマッチがあります。15周年イヤーは12月31日までなので、そこまではチャンピオンでいたいし、その後も団体は続くのでトップを張りたい。まずは今回の2連戦で伝説をつくります!

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