【バスケット】本気で「金」目指して「銀」高田真希主将「言霊って大事だなって思う」

ゴール下でシュートを狙う高田真希

日本バスケットボール史に残る大殊勲だった。東京五輪のバスケットボール女子決勝(8日、さいたまスーパーアリーナ)で、世界ランキング10位の日本は同1位の米国に75―90で敗れたが、日本バスケ界初となるメダル(銀)を獲得。そればかりか「身長差に負けない」という日本のバスケを世界に見せ付けた。

王者・米国に対して一歩も引かなかった。インサイド攻撃を仕掛けてくる相手に対し、日本は走り回り、3点シュートを武器とするバスケに徹した。敗戦後、主将の高田真希(31=デンソー)は毅然と立ち振る舞った。日本初となる銀メダルを首にぶら下げ、取材エリアに現れた高田は「金メダルを目指していたので悔しいです」と第一声。歓喜よりも悔恨の言葉の方が先だったが、すぐに「日本バスケット界で初めてのメダルを誇らしく思いたい」と胸を張った。

トム・ホーバス監督(54)は就任以来、一貫して「金メダルを取る」と目標に掲げて来た。チーム一丸となって世界一を目指してきたが、身長162センチの町田瑠唯(28=富士通)が「本当に金メダルを信じていた人は多くないと思います」と振り返ったように、周囲で冷めた声があったのも事実。それでも高田の気持ちは全くブレなかった。

「金メダルを目指すためにタフな練習もしてきた。自分の立場としても金メダルを取るってずっと言ってきて、そこを信じてやればここ(銀メダル)まで来れるっていうのを実感している。やっぱり思い続けることは大切。高い目標の方が、こうやって近づくんだなって」

そう感慨深げな表情を浮かべ、続けて「ホントに何て言うんですかね…『言霊』って大事だなと思います」と言った。「金」を言葉にし続けたことで「銀」が取れたと確信している。

開幕前は誰もが想像しなかった日本の「銀」で東京五輪は閉幕。この続きは2024年パリで見られるだろう。

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