東京五輪の開会式が8日に国立競技場で開催され、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が持ち前のロングスピーチを披露し、またも予定時間をオーバーした。
バッハ会長は7月23日の開会式で大会組織委の橋本聖子会長とともにスピーチ。2人合わせて9分間の予定が、橋本会長は約6分半、バッハ会長に至ってはなんと約13分も喋り続けたため、進行に支障をきたしていた。その話の長さは多くの日本国民が小学校時代に経験した校長先生の朝礼での話を思い起こさせたため、ネット上では「バッハ校長」の異名もとっていた。
果たしてこの日の閉会式でも、バッハ会長と橋本会長のスピーチ時間はあわせて9分が予定されていた。まずは橋本会長が大会関係者、ボランティア関係者、大会を受け入れた日本国民に感謝の言葉を述べつつ「アスリートとスポーツの力によって未来への扉が開かれました」と成功を強調。パラリンピックへの決意も述べ、開会式の反省を踏まえたのか若干の短縮に成功した約5分でスピーチを終えた。
そして“真打ち”バッハ会長が登場。「パンデミックが始まって以来、初めて全世界が一つになった。何十億もの人が心を一つにした。これが希望を与えるのです」と簡潔にまとめると、あいさつの締めの言葉を述べる。なんと約3分で終了するという劇的改善! かと思いきや、終わりそうで終わらないのがバッハ流。
おもむろに再びしゃべり始め「全てのボランティアのみなさま、まことにありがとうございました」と日本語混じりでスピーチを続行。「閉会を宣言します」と言った直後にまだ喋るなどじわじわと記録を伸ばし、約7分でフィニッシュした。
さすがに開会式ほどの長時間オーバーはなかったものの、やはり予定されていた9分で2人のスピーチが終わるわけもなく閉会式の進行には遅れが発生。バッハ会長は今回の五輪セレモニーで「偉い人の話は長い」という我々日本国民が忘れかけていたことを鮮明に思い出させてくれた。