ナッシュビル市街地で開催されたNTTインディカー・シリーズ第11戦ミュージックシティGP。8日行われた決勝レースは、イエローコーションが多発する荒れた展開をマーカス・エリクソン(チップ・ガナッシ)が制し、今季2勝目を挙げた。
佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、24番グリッドから追い上げを見せるも、レース序盤にクラッシュに巻き込まれマシンを破損しリタイアとなった。
初開催となるナッシュビル市街地での“ミュージックシティGP”。コルトン・ハータを先頭に80周のレースが幕を開ける。
ターン1でスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)のインを差したアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート)が2番手を奪う。しかし、ダルトン・ケレット(AJフォイト)がマシントラブルでストップ。レースは2周目でイエローコーションとなる。
5周目にレースは再開を迎えるもリスタートでセバスチャン・ブルデー(AJフォイト)にマーカス・エリクソンが追突し両者はマシンを破損。再びイエローコーションに。
レースは10周目に再開。トップのハータは徐々にリードを築いていく。
16周目にスコット・マクラフラン(チーム・ペンスキー)がエド・ジョーンズ(デイル・コイン)に押し出されスピン。3度目のフルコースイエローに。
マクラフランはエンジンを再始動しレースに復帰。ピットレーンがオープンするとアレックス・パロウをはじめ数台がタイヤ交換を行っていく。
リスタートは20周目。ターン1でシモン・パジェノー(チーム・ペンスキー)とウィル・パワー(チーム・ペンスキー)が接触し、マルチクラッシュが発生。24番手スタートから追い上げていた佐藤琢磨もよけきれずリナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター・レーシング)にクラッシュ。コースが塞がれたためレースはレッドフラッグとなる。
琢磨は右フロントにダメージを負いリスタートできずガレージに運ばれてしまう。
レースは、19周目の順位で約20分後に24周目から再開。ハータが一気にリードを築き始める。
31周目、マシンを修復しレースに復帰したヴィーケイがターン3でクラッシュ。再びイエローとなる。ピットレーンがオープンになるとハータを先頭にトップ集団がタイヤ交換へと向かう。
先にピットインを行っていた組と順位はシャッフルされ、エリクソン、ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポート)、ジェームズ・ヒンチクリフ(アンドレッティ・スタインブレナー)、ハータ、ロッシ、ニューガーデンの順でリスタートを迎える。
リスタートは37周目。ハートとロッシはヒンチクリフを交わしポジションをアップ。さらにハンター-レイに襲い掛かり翌周にオーバーテイク。
41周目、パワーとマクラフランがターン9で接触しマクラフランがストップ。そこにケレットがクラッシュし、5度目のイエローコーションとなる。
ピットレーンがオープンになると、エリクソン、ロッシ、ディクソンらがピットイン。2時間レースルールを考慮してストラテジーを変更してくる。
ハータ、ニューガーデン、コナー・デイリー(エド・カーペンター・レーシング)、ジャック・ハーベイ(メイヤー・シャンク・レーシング)、ロマン・グロージャン(デイル・コイン)の順で51周目にレースは再開。
しかし、ターン14でオワードとロッシが接触。オワードのエンジンがストップしたため6度目のイエローコーションに。このタイミングでハータ、ニューガーデンもピットイン。
ステイアウトしたグロージャンがトップとなり、エリクソン、ヒンチクリフ、ディクソン、ハンター-レイ、ハータは9番手で54周目にリスタートへ。
ハータは猛プッシュでポジションを奪い返していく。しかし、コディ・ウェア(デイル・コイン)がターン3出口でスピン。7度目のイエローへ。
グロージャンがこのタイミングでピットインし、トップはエリクソンに交代。ディクソン、ヒンチクリフと続き、ハータは6番手に。
58周目にリスタート。ハータはフェリックス・ローゼンクヴィスト(アロウ・マクラーレンSP)を交わすと前にチームメイト2台に襲い掛かり、ハンター-レイを攻略。60周目にはヒンチクリフを交わし3番手へと浮上する。
ハータは怒涛の追い上げを見せ、62周目にディクソンをオーバーテイク。トップのエリクソンを捉える。エリクソンも粘りの走りを見せトップを死守。
76周目、プッシュしていたハータにまさかのアクシデント。ターン9で曲がり切れずウォールにクラッシュしリタイアとなってしまう。このアクシデントで今日8度目のイエローコーション。そのままレッドフラッグが振られ、レースは残り5周となる。
セーフティカー先導でレースは再開し、残り2周でグリーンフラッグが振られる。エリクソンはトップをキープして、デトロイト戦以来となる2勝目を挙げた。
2位はディクソン、3位はヒンチクリフが入り、ポイントリーダーのアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)は7位でフィニッシュとなった。
■NTTインディカー・シリーズ第11戦ナッシュビル決勝レース結果
Pos. No. Driver Team Engine Laps SP
1 8 M.エリクソン チップ・ガナッシ H 80 18
2 9 S.ディクソン チップ・ガナッシ H 80 2
3 29 J.ヒンチクリフ アンドレッティ・スタインブレナー・オートスポート H 80 10
4 28 R.ハンター-レイ アンドレッティ・オートスポート H 80 14
5 15 G.レイホール レイホール・レターマン・ラニガン H 80 13
6 18 E.ジョーンズ デイル・コイン・レーシング H 80 26
7 10 A.パロウ チップ・ガナッシ H 80 9
8 7 F.ローゼンクヴィスト アロウ・マクラーレンSP C 80 4
9 06 エリオ・カストロネベス メイヤー・シャンク・レーシング H 80 15
10 2 J.ニューガーデン チーム・ペンスキー C 80 12
11 45 S.フェルッチ レイホール・レターマン・ラニガン H 80 17
12 20 C.デイリー エド・カーペンター・レーシング C 80 20
13 5 P.オワード アロウ・マクラーレンSP C 80 8
14 12 W.パワー チーム・ペンスキー C 80 11
15 60 J.ハーベイ メイヤー・シャンク・レーシング H 80 6
16 51 R.グロージャン デイル・コイン・ウィズ・RWR H 80 5
17 27 A.ロッシ アンドレッティ・オートスポート H 80 3
18 59 M.チルトン カーリン C 80 21
19 26 C.ハータ アンドレッティ・オートスポート H 74 1
20 52 C.ウェア デイル・コイン・ウィズ・RWR H 70 27
21 22 S.パジェノー チーム・ペンスキー C 68 7
22 3 S.マクラフラン チーム・ペンスキー C 67 23
23 4 D.ケレット A.J.フォイト・レーシング C 37 19
24 21 R.ヴィーケイ エド・カーペンター・レーシング C 24 22
25 30 佐藤琢磨 レイホール・レターマン・ラニガン H 19 24
26 48 J.ジョンソン チップ・ガナッシ H 18 25
27 14 S.ブルデー A.J.フォイト・レーシング C 5 16