各国大使らが献花 爆心地公園、世界平和願う

原爆落下中心地碑に献花する各国の大使ら=長崎市、爆心地公園

 9日の平和祈念式典に参列する各国の駐日大使らが8日、長崎市松山町の爆心地公園で原爆落下中心地碑に献花した。今年1月に核兵器禁止条約が発効して初めての式典。各国の代表らから、「核の傘」に頼る国が置かれたジレンマなどを指摘する声が上がった。
 フランスなど核保有国も加盟する欧州連合(EU)のパトリシア・フロア特命全権大使は、日本政府が条約に参加していない状況は、安全保障の点で「ドイツや多くの欧州諸国と似ている」と指摘。「近隣の核兵器を持つ中ロ、北朝鮮からどう日本の安全を確保するか。答えは簡単ではない」と述べた。
 核保有国ロシアの在日大使館のボンダレンコ・アレクサンドル参事官は、条約への言及を避けたが、被爆者の核廃絶への願いに「悲劇が起こらないよう、国際社会が頑張らないと。全ての国が今ある国際法を守り、責任を持ち行動するのが大事」と話した。
 ルワンダ共和国のアーネスト・ルワムキョ大使は「長崎の悲劇が二度と起こらないよう望む。被爆者が世界平和を訴え続けて」と願った。献花には49カ国とEUの大使が訪れた。

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