映画「あらののはて」主演・舞木ひと美 絶頂って何だろう?と1か月考えた

『カメラを止めるな!』の主人公の妻役で大ブレイクしたしゅはまはるみ、映画『イソップの思うツボ』などに出演の藤田健彦、1980 年代より数々の舞台演出を手がける長谷川朋史の3人が結成した自主映画制作ユニット「ルネシネマ」。 2019 年、しゅはまと藤田が主演のルネシネマ第1弾、映画「かぞくあわせ」が池袋シネマ・ロサで記録的な動員を達成。ルネシネマ第2弾として企画・製作された本作『あらののはて』は、門真国際映画祭2020で最優秀作品賞、優秀助演男優賞、優秀助演女優賞の三冠を達成し、うえだ城下町映画祭 第18回自主映画コンテストでは、審査員特別賞(古廐智之賞)を受賞。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2020、日本芸術センター第12回映像グランプリでは入選を果たした。

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭に「高校時代の自由奔放でキュートな姿と、8年前の感情をこじらせてしまった現在のイタイ姿の風子の対比がなんとも切ない」と評された主人公・風子役には、女優・ダンサー・振付家とマルチに活躍する舞木ひと美。風子が出した食べかけのガムを食べるクラスメート・荒野役には『無頼』(監督:井筒和幸)や主演作『僕たちは変わらない朝を迎える』(監督:戸田彬弘)で注目を集める髙橋雄祐。一途さと冷めた距離感が同居しているそのかわいさを古廐智之監督に評価された、8年後、荒野と同棲しているマリア役に眞嶋優。荒野が食べかけのガムを食べたのを見て嫉妬に狂う同級生・前田役に成瀬美希。

荒野に会うよう風子の背中を押す絵画教室の先生役でしゅはまはるみ、風子たちの担任の先生役で藤田健彦が、絵画教室の印象的な役所で、小劇場界のレジェンドである、劇団「動物電気」の政岡泰志や小林けんいちが脇を固めている。

池袋シネマ・ロサで8/21(土)〜3週間レイトショー公開される他、名古屋 シネマスコーレ(近日)、京都みなみ会館(近日)、横浜シネマリン(9/25(土)~)、長野千石劇場(10/8(金)~10/21(木))等全国順次公開される。

この度、公開に先駆け、主演・プロデュースの舞木ひと美のオフィシャルインタビューが解禁となった。

Q.本作は、主人公の風子が、高2の時にクラスメートのあらんこと大谷荒野に頼まれて人物モデルをした時に感じて以来絶頂を感じたことがないという設定の映画ですが、主演をお願いされてどう思いましたか?

監督は変態だなと思いました。(笑)成人した女性が、絶頂を感じたことを8年間忘れられずに引きずっているというのが面白いので、プロット読んで、「ぜひやりたい」と言いました!

Q.現在のシーンだけでなく高校時代部分の出演も頼まれて、どうでしたか?

当時30歳で、「高校ってことは制服を着ますよね?」と言ったら、監督に「大丈夫。それが映画の良さだから、何も心配することはない」と言われました。監督が「それが面白みの一つになるからいい」とおっしゃったので、やりました。

Q.監督とはどのような話をして役作りをしましたか?

監督には、私自身に当て書きした部分がたくさんあるから何もするなとずっと言われていました。普通は相手役の方の動きとかに全集中してお芝居をすることが多いんですけれど、監督に、「風子は、そういう人物じゃないから、会話も成り立っていないように見せたいし、会話しているように見せたくない」と言われて難しかったです。

Q.人物モデルをしている間に絶頂を感じるというのを演じるのは難しかったですか?

そのシーンでは、カメラアングルが膝下から上がってくるんですけれど、「確かにムズムズするよな」とか、体が痒くなってくる状態というか、心臓がバクバクしていってなど、「絶頂ってなんだろう」と1ヶ月位向き合って、色々考えました。(笑)

Q.風子が忘れられない荒野役の髙橋雄祐さん、8年後、荒野と同棲しているマリア役の眞嶋優さん、荒野が食べかけのガムを食べたのを見て嫉妬に狂う同級生・前田役の成瀬美希さんそれぞれの演技で見て欲しいところはどこですか?

髙橋さん演じる高校時代の荒野は、無意識に周りを振り回してしまうような、芯が全くない人間に見えるのですが、8年後の月日を経ても、当時と変わらない荒野の表情がまた憎めない雰囲気を出していて、なんとも言えないのと、喋り方、体の使い方、走り方が荒野そのもの!って感じが伝わってくると思いますので、その辺もぜひチェックして頂きたいポイントです。

マリアは風子と正反対でかなりはっきりした性格のキャラクターですが、マリア役を演じた眞嶋さんは、サバサバした一面も見せながら、女性ならではのしなやかな部分を丁度よく表現されていたと思いました。ボーイッシュに思われがちな眞嶋さんですが、可愛らしい一面も見所の一つです。

成瀬さんに関しては、どうしてもこの作品に出演して欲しかったので、監督に脚本を書き直してもらい、当て書きしてもらった役なんです!お客さんが一番共感しやすい立ち位置にいる役ですし、職員室での成瀬さんの芝居と渡り廊下での彼女の存在感を是非お楽しみください!

Q. その他、撮影の裏話を教えてください。

制作スタッフも自分で行っていたのですが、制服を借りに行ってフィッティングをした際に、お店の方がまさか私が着るものだとは思っていなかったみたいでびっくりされました(笑)

Q.門真国際映画祭2020で最優秀作品賞を受賞した際の感想をお教えください。

泣きました。門真国際映画祭は最後の最後に「最優秀作品賞 『あらののはて』」と出たので、周りのことを忘れて「わー!」っと言ってボロ泣きでした。本作は、普通に作品に関わる以上に、ゼロから生み出していたので、その作品が認められたということが嬉しかったです。

Q.読者の方にメッセージをお願いします。

インタビュー記事を読んで下さりありがとうございます。プロデューサー・主演で映画を製作したのは初めてだったので、様々な意見が出てくると思いますが、これからも作品を生み出していきたいと思っていますので、ご鑑賞後にご意見頂けるのを楽しみにしております。

【あらすじ】

25歳フリーターの野々宮風子(舞木ひと美)は、高校2年の冬にクラスメートで美術部の大谷荒野(髙橋雄祐)に頼まれ、絵画モデルをした時に感じた理由のわからない絶頂感が今も忘れられない。絶頂の末に失神した風子を見つけた担任教師(藤田健彦)の誤解により荒野は退学となり、以来、風子は荒野と会っていない。

8年の月日が流れた。

あの日以来感じたことがない風子は、友人の珠美(しゅはまはるみ)にそそのかされ、マリア(眞嶋優)と同棲している荒野を訪ね、もう一度自分をモデルに絵を描けと迫るが…

出演

舞木ひと美  髙橋雄祐

眞嶋優 成瀬美希

藤田健彦 しゅはまはるみ

政岡泰志 小林けんいち 山田伊久磨

兼尾洋泰 行永浩信 小谷愛美 才藤えみ 佐藤千青 藤井杏朱夏

監督・脚本:長谷川朋史

撮影・編集:長谷川朋史 撮影助手:大橋隆行/田口敬太/高柳友孝 録音:寒川聖美

美術:遠藤信弥/湯本愉美 メイク:佐藤健司/大貫茉央 スタイリスト:佐野 旬

スチール:市川唯人 車両:伊藤悌智 プロデューサー:舞木ひと美

製作:ルネサンスデザイニング有限会社 宣伝デザイン:菊池仁・田中雅枝

配給:Cinemago 配給協力:Giggly Box/Cinemaangel

販売元:オデッサ・エンタテイメント   

 <2020年/日本/カラー/16:9/DCP/69分>  ©ルネシネマ

公式サイト:https://runecinema.com/aranonohate/ 

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