【東京五輪】新体操個人総合金めぐりロシアとイスラエルが壮絶バトル「政治ゲームの犠牲」「参加できただけでも満足しろ」

新体操個人総合で金メダルを獲得したリノイ・アシュラム(ロイター)

東京五輪新体操個人総合競技で、世界選手権3連覇のジーナ・アベリナ(ROC)が金メダルを逃し、イスラエルのリノイ・アシュラムが優勝した。アシュラムがリボンでミスがあったこともあり、ロシアのスポーツ関係者や政治家の怒りが爆発。イスラエル側も負けておらず、きな臭いムードが漂っている。

すでにロシアオリンピック委員会(ROC)は「世界が不正を見ている」とツイート。同会長が抗議を表明している。ロシア・タス通信によると、ロシアの政治家ボリス・パイキン氏は「アベリナは政治的なゲームの犠牲になった。私たちにとって、ジーナは絶対的な勝者であり続ける」と主張。またロシア各メディアによると、同じく政治家のヴィタリー・ミロノフ氏は「イスラエル選手は不当な勝利だ」と攻撃した。

一方のイスラエル側も黙ってはいない。「エルサレム・ポスト」は「2018年の世界選手権でアベリナがリボンを落としたのに金メダルで、アシュラムが銀でも、イスラエル側は何のクレームも付けなかった」と、言いがかりを主張。記事のコメントには、ドーピング問題でロシアで参加できず、ROCとしての参加だったことを皮肉り「増強剤が必要か」「ロシアは五輪に参加できただけでも満足しろ」と、非難の声がずらりとならんでいる。

ロシアにとっては約20年に渡る覇権が終わりを告げた大事件だけに、遺恨は収まりそうもない。

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