軽症者にも使用可、コロナ対策の新兵器「抗体カクテル療法」とは?

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。7月26日(月)放送の「フラトピ!」では、新型コロナ対策の武器として期待されている“抗体カクテル療法”を深掘りしました。

◆ワクチンとともにコロナ対策の大きな武器に

厚生労働省は7月19日、中外製薬が申請していた新型コロナウイルス感染症の「抗体カクテル療法」で使う2種類の新薬を特例承認したと発表。これは重症化を抑える効果が期待され、国内で効果が検証されて厚労省が使用を認めた薬としては4番目にあたります。2種類の抗体を組み合わせることから「カクテル療法」と呼ばれ、これまでの治療薬と違い、軽症・中等症患者向けの治療薬となっています。

通常、新型コロナウイルスのスパイクが細胞の受け皿にくっついてしまうと陽性となりますが、「抗体カクテル療法」はイムデビマブとカシリビマブからなる2種類の抗体を組み合わせることで細胞にウイルスが感染するのを防ぎます。

これまでの治療薬は別の病気目的で作られていましたが、これはコロナのために作られ、海外の臨床実験では入院・死亡リスクが70%減。アメリカ前大統領のトランプ氏に使用されたことでも話題になりましたが、その最大の特徴は軽症者に使用できること。それは初めてのことで、基礎疾患のある人に投与すると重症化リスクを減らすこともできるということです。

フリーアナウンサーの鈴木杏花さんは「抗体カクテル療法」に対し、「軽症者に使用できるなど、患者の選択肢が増えたのはすごくいいこと」と話す一方で、ワクチンを含め副作用への不安から使用を拒む人たちがまだまだいることを案じます。そして、「こうした治療薬の副作用のことなど国民が安心して使えるように情報が伝わっていけば」と希望。

一方、東京大学大学院卒の俳優・森田舜さんも軽症時に投与できることを高く評価し、さらには「抗体カクテル療法」という名前のポップさを「受け入れやすい」と評価。

しかし、「抗体カクテル療法」をはじめとする治療薬にも課題が。それは、ワクチン同様供給量が限られていること。投薬ができる人とできない人がどうしても生まれてしまいます。キャスターの田中陽南もそのことを懸念しつつ、「1つのウイルスに世界中が同じ状況になることを初めて体験し、トップのあり方や情報発信の仕方が国によって優劣があることが露見した」とコロナによる世界の見え方の変化を口にします。

国内の状況を見てみると7月に入って入院患者数は増加傾向にあり、このままでは医療体制もひっ迫の危機に。そんななか、「抗体カクテル療法」は医療体制の負担軽減が見込まれていますが、今後もウイルスの変異や未来には新たなウイルスが発生も起こりかねません。

そのため、今回の新型コロナの経験から何を学ぶかも非常に重要で、鈴木さんは「情報発信の大切さ、意思と知識をしっかりと持つことの重要性」を学んだと言い、森田さんも「(今回のコロナで)知見がすごく溜まったことで、次の機会に対処する際、もっと良い方法を考える手段になる」と話していました。

※この番組の記事一覧を見る

<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

© TOKYO MX