ロッキーズ「ファンの人種差別的発言はなかった」と調査結果を発表

日本時間8月9日にクアーズ・フィールドで行われたマーリンズ対ロッキーズの試合で、観客が9回裏のマーリンズの守備時にマーリンズのルイス・ブリンソン外野手に対して人種差別的発言を浴びせたことが問題視されていたが、ロッキーズは徹底した調査を行った結果、「ファンの人種差別的発言はなかった」との結論を発表した。ロッキーズの調査によると、人種差別的発言に聞こえた言葉は、ロッキーズの球団マスコットである「ディンガー」の名前を叫んだものだったという。

ロッキーズは「我々はファンやメディア、放送局からの電話やメール、ビデオクリップなどを含む徹底的な調査を行った結果、ファンはロッキーズの球団マスコットであるディンガーの写真を撮ろうとして、ディンガーに振り向いてもらうために叫んでいたのであり、人種差別的発言があったわけではないとの結論に至りました」との声明を発表。「我々はクアーズ・フィールドのすべてのファン、選手、ゲストに対して包括的な環境を提供することに努めており、軽蔑的な言葉を使用したファンはクアーズ・フィールドから退場させられます」と付け加えた。

該当の試合が行われた8月8日(現地時間)の夕方、人種差別的発言と思われる動画がツイッターで公開され、拡散されて大きな話題となった際、ロッキーズは人種差別的発言と思われる行為を非難するとともに、詳細な調査を行うことを明らかにしていた。放送中は複数のマイクを使用するが、マイクによってはファンの歓声を拾わないように設計されているため、ファンの歓声が記録されている数本のマイクに絞って調査が行われた。放送局から提供された映像には、人種差別的発言としたと思われていたファンが選手のいるフィールドではなく、球団マスコットのディンガーのほうを見ながら、ディンガーの注意を引くジェスチャーをして叫んでいる様子が映っていたという。

この映像とマイクが拾った音声、さらに近くにいたファンからの聞き取り調査などを総合的に判断し、ロッキーズは「ファンの人種差別的発言はなかった」との結論を出した。

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