ライオンズの若き龍・綱島龍生選手の活動報告 〈9〉調子上げ、1軍昇格諦めず

 2月から定期連載を始めて今回で9回目となる。新型コロナウイルスの影響を受け、異例のシーズンとなったが、綱島龍生は着実に1軍への階段を上っている。

 好調な状態で終えた春季キャンプだったが、リズムを崩してしまったのは6月。その後、チームに帯同せず残留練習をする日々もあったが、それを乗り越えた先に、3年目の成長があった。8月20日に2軍でプロ初本塁打。同月30日には2本目のアーチを描いた。気持ちにも余裕が出てきたのか、少しずつ笑顔が増えてきたのは見ている者をホッとさせる。

 綱島はCAR3219フィールドでの試合後には、必ず打撃マシンに向き合い、個別練習から引き上げるのは選手の中で最後だ。そしてティー打撃を行う綱島の足元を見ると、なんと素足。「足の指まで力が伝わっているのは下半身全体を使っている証拠。裸足の方が、その点、しっかり分かるんです。下半身全体を使ってしっかり打つ、ということをサボらないようにするためですね」と明かした。

 コンスタントにヒットも出るようになり、好調な理由は「タイミングの取り方を一から見直し、自分に合ったものを見つけられた」ことだと言う。

2軍の試合後、明るい表情でグラウンドを引き揚げる綱島(右から2人目、10月3日、球団広報部撮影)

 練習を終え、寮の自室に戻れば、頭の整理も忘れない。「タブレットで試合の映像を見て、(打撃内容を)振り返ることが多いです」。自分を客観的に見て、どこが良かったのか、どこが悪かったのかを振り返る〝ひとり反省会〟をしている。

 うまくいかない原因が分からない時、自信がない時は、コーチにどんどん助言を求めるが、その向上心に「最近意識が変わった」とコーチ陣もその姿勢を評価。これも成長の一つといえる。

 ファームの公式戦も残すところあと1カ月。打率3割を目標とする中で、開幕当初は2割前半で低迷していたが、徐々に調子を上げ現在は2割3分8厘(10月8日時点)。9月だけでいえば、3割を超えた。「(今季)1軍に行くことを最後まで諦めません。試合に出て、ヒットを打ってエラーをしないようにします」と、積極的なプレーでアピールを続けることを誓った。

 同期が次々に1軍に昇格していく中、気持ちに焦りや不安が出てしまうが、一球一球に向き合い、納得のいくシーズンにしてほしい。(西武ライオンズ広報部 亀田礼子)

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