虎先発ローテ争い〝脱落〟の藤浪にチャンスあり? 矢野監督はダンケルの代役起用示唆

阪神・藤浪

阪神・藤浪晋太郎投手(27)が10日のエキシビションマッチ・楽天戦(楽天生命パーク)に先発登板し、5回4安打1四球2失点。試合は0―2で阪神が敗れた。

杜の都での登板を終えた背番号19は「いい部分も悪い部分もありましたが、全体的には使いたい球種も投げられましたし、ある程度投げたいコースにも投げられた」と一定の手ごたえを感じている様子。前回登板のエキシビションマッチ・オリックス戦(3日、京セラドーム大阪)ではウイニングショットの精度を欠き、92球を費やして4回7安打2失点と苦しんだが、この日は直球、変化球ともにある程度安定。「最近の試合ではウイニングショットが課題だったので、しっかり感覚をつかむという点では良かった。そこに集中はできたのかなと思う」と藤浪は振り返った。

矢野監督も「カウントも整っていたし、バタバタすることもなかったんで全体的には状態は良かったと思う。アウトの中身もいいアウトが多かった」と一定の評価を下したが、やはり藤浪に求める〝ハードル〟は高い。「バッターのレベルが上がると簡単にアウトにはなってくれないし、追い込んでから(連打を浴びるなど)決めきれない。もうワンランク、レベルが上がらないと。晋太郎だったら6回、7回はいってくれるようなピッチャーになってほしいから」と、楽天打線の中軸に連打を浴び2点を失った4回の場面を挙げ、課題を指摘することも忘れなかった。

後半戦の先発ローテは西勇―二保―秋山―青柳―伊藤将―ガンケルの6投手で回していく構想の矢野阪神だが、五輪中断期間中の一時帰国から再来日したばかりのガンケルの調整が間に合わないようなら、藤浪が〝代役〟として17日からの対DeNA3連戦(東京ドーム)の先発マウンドに上がる可能性も残っている。

「先発のところに晋太郎が合わす状態が一番良いのかな。(藤浪が)中継ぎに入っちゃうと、また先発の調整ができないし。ガンケルがダメだという時に(代わりの)誰かを今準備しておかないと。ガンケルの状態が整わない時は晋太郎がそこに入るかなと考えている」(矢野監督)

現状で首脳陣からは〝先発7番手〟としての評価しか得られなかった背番号19。だがシーズンが続く限り、巻き返しのチャンスは必ず回ってくるだろう。来るべきその時のために、今は静かに牙を研ぐ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社