舞台などで活躍中の2.5次元俳優たちが集結した映画「元メンに呼び出されたら、そこは異次元空間だった」が間もなく公開。
数カ月前に解散したばかりのアイドルグループ・makes.の元メンバーであるつばさ(木津つばさ)、翔太(高崎翔太)、諒(北村諒)は、解散の原因を作った岳(松田岳)からある日、突然呼び出しを受ける。長年レッスンをしてきた稽古場に集まる3人だが、呼び出した張本人の岳は現れず、気付けばつばさたちは異次元空間に迷い込んでいた――。ワンシチュエーションで起きる少し不思議な物語を描いた本作の撮影は、2日間で行われたとのことで、彼らは一体どのように芝居を作り上げていったのか? また、自分たちが考える裏設定とは? さらに、アイドル役にちなみ、表現者として心掛けているファンサービスについても聞いてみた。
――ご自身の演じられた役について、簡単に紹介をお願いします。
高崎「翔太は、makes.の元リーダーです。ムードメーカー的な存在なんですけど、しっかりしているところはしっかりしていて、仲間思いなキャラクターです」
北村「諒は、お金持ちの家に生まれてしまったがゆえに、人としての何かが欠落しているキャラです(笑)」
高崎 「世間からズレてるからね(笑)」
北村「はい。アイドルも別に本気でやっていたわけではないっていう設定で…。でも、解散の原因を作った岳を許せないつばさに対していろんなことをするうちに、自分の気持ちにも変化が出てくるという役どころです」
木津「つばさはmakes.の最年少で、一番グループに思い入れがあるメンバーです。アイドルに青春を捧げてきていて、解散の原因を作った岳をめちゃめちゃ恨んでます(笑)。で、めちゃめちゃだまされやすいです」
松田「岳は、メンバーの中ではつばさとセットになっていることが多いです。リーダーと、年下のつばさとの間の中間管理職ということになっています(笑)」
高崎「それから、グループの中で一番人気のメンバーです」
松田「はい、一番人気という設定で…。ファンをとっても大切にするというところは自分に似てるなと思います」
一同「おぉ~(笑)」
――当て書きに近いような形かなと思いますが、その中でも一番ご自身とキャラクターが近いという方は?
松田「つばさかな?」
高崎「役のまんま熱い感じですね。九州男児なんで」
木津「(広島出身で)九州じゃないですけど…(笑)」
一同「(笑)」
北村「適当だなー(笑)」
――ちなみに、劇中でははっきり描かれていませんが、makes.はアイドルグループとしてどんな活動をしていたと思いますか?
北村 「俺がいいなと思うのは、バンドみたいに自分たちで1台のバンに乗って地方に行ってライブをする、みたいな感じ」
高崎「そういう地道な感じはいいよね。社長(弓削智久)が敏腕ではないので(笑)、ゴリゴリ泥臭く活動していそう」
松田「いろんな土地に行って…」
高崎「いろんなところでライブをして、最終的には武道館!」
北村「ヒットチャートにも入ってね」
――けんかはしなさそうですか?
木津「岳とつばさがけんかして、諒くんがボーッと見てて、翔太くんが笑ってるみたいな感じになりそう(笑)」
松田「結構熱いグループな感じがしますね」
北村「あと、個人的にmakes.としてミュージックビデオを撮りたい」
北村以外「うん、撮ってほしい!」
高崎「それは本当にやりたいね」
木津「バチバチにカッコ良くしたい」
北村「いつでも出る準備はできてます(笑)」
――撮影日が2日間だったそうですが、本当に短いですよね。
高崎「ちょっと衣装の方にお金を使い過ぎちゃったんで、撮影はギュッと(笑)」
一同「あははは!」
北村「無駄使いにも程がある(笑)」
高崎「ウソです(笑)。でも、短いからこそ、ストーリーの流れを追えたというか…。無駄に考え過ぎることもなく、流れの中で自然に演じられました」
――谷健二監督からはどのようなディレクションがあったのですか?
高崎 「アイデアが結構とっぴなんですよね。芝居の作り方が独特というか…。特に、翔太と諒の会話で進む導入部分は難しかったんですよ。監督が来て、『何かもっと面白い感じでさ。翔太くんならできるじゃん、面白い感じ』って言って、笑って去っていくんですよ(笑)」
北村「“結局、どんな感じ!?”みたいなね(笑)」
――わりと任せてもらえる感じだったのですか?
高崎「そうですね、監督がこだわっているところ以外は、こちらに任せてもらえました」
木津 「makes.の円陣も、監督からむちゃぶりされたものでした」
高崎 「そうそう。台本にはなかったんだよね」
松田「それで、監督が『何かポーズないの?』って(笑)」
北村「あれは、その時のテンションでできたやつです(笑)」
――撮影の裏側はどのような感じだったのですか?
高崎「現場でグチる人が本当に1人もいなかったです。それが良かったなと。撮影の合間も、みんなで前向きに芝居の話とか、次の作品の話とかばっかりしてて、すごく和やかでした」
――トークショーでは、待ちの時間が長かった松田さんが、撮影合間にサウナに行かれたとおっしゃっていましたね。
松田「そうなんです。でもみんな、本当のところどう思ってます? “サウナ行くなよ”って思ってません?」
高崎 「思ってないよ!(笑)」
木津 「全く思ってないです(笑)」
北村「今回、思いのほか絡めなかったから、それだけは寂しかったなぁってぐらい」
高崎「サウナに行った後、わりと早めに現場に戻ってきて、モニターを見ながらクスクス笑ってて…。あの笑いに助けられたよね」
北村「そう。“良かったー”って安心できた」
木津「勇気をもらいました」
――では、アイドル役を演じられたことにちなんで、皆さんがファンサービスで大事にしていることとは何でしょうか?
高崎「(カッコつけて)真心ですよね」
北村 「その回答だけは答えるのが早いな!(笑)」
高崎「常に思ってることだからさ。みんなのこと、家族だと思ってるから」
松田「“言えば言うほど”っすよ(笑)」
一同 「あははは!(笑)」
高崎「マジメな話、僕、ファンの方の誕生日をTwitterでお祝いするようにしてて…」
北村「ああ~、やってるね」
木津「あれ、すてきですね」
高崎「家族だったらするじゃない? それと同じで、お祝いだけは欠かさないようにしていますね。岳は?」
松田「仕事に対して誠実であることですね」
高崎「“芝居だけやってます”って感じだな!?」
一同「ははは(笑)」
松田「いやっ、“仕事だけやってればそれでいいでしょ”って感じではなくて…(笑)。僕自身、どの媒体でもちゃんと力を込めてやっているなという人を応援したいと思うから、自分もそうでありたいなとは思っています」
高崎「カッコいい。俺もそうしようかな」
木津「既にそうしてますよね? ずっとそうしてますよ(笑)」
北村「僕は、目を見ることかな。舞台作品だと、カーテンコールでやっとお客さんの顔を見られる瞬間が最後の最後に来るので、そこでできるだけ皆さんの目を見ようと。後ろの方の席と前の方の席では感じ方も違うとは思うんですけど、どちらのお客さんも舞台を一緒に作ってくれているのは同じ。だから、端から端まで見るようにしています」
木津「僕は、楽しんでもらいたいなっていう気持ちが一番大きいですね。疲れた時に“こいつを見たら笑えるな”って思ってもらえたらいいなって思ってるので。性格は暗い方なんですけど(笑)、表に出ている時は、“本当に楽しい”っていう気持ちを100%出すことを心掛けています」
――それでは、今年もあと半年弱となりましたが、今年のうちにやっておきたいことをお聞かせください。
高崎「コロナ禍なので今年の内に実現するかは分からないけど…海外旅行に行きたいです。めっちゃ旅行が趣味なんですけど、全然行けなくなっちゃって…。ヨーロッパに行ったことがないから回ってみたいですね」
松田「僕も海外に行って刺激を受けたい。インプットになるような体験をしたいですね。もうすぐ30歳になるので、役者としての奥深さを身につけられるよう、いろんな学びを得たいです」
北村「僕はこの2年で先のことを考えるようになりました。先が見えなくなったからこそ考えざるを得なくなったので、ここから先は来年のことを考えるために時間を使いたいです。そして、自分があまり触れてこなかったジャンルに触れたりして、幅を広げたいですね」
木津 「僕も皆さんに似ていますが、カルチャーショックを受けたいですね。子ども心を忘れかけているので、がむしゃらに子どもっぽくいきたいなと。“イェーイ、楽しいよ!”っていう感じに生きてみたいなと」
――今回共演した先輩方は、そういう意味でお手本になりましたか?
木津「あぁ、めちゃめちゃなりますね! 皆さん、もう何か好きなことやっていて…(笑)」
高崎 「誰が楽しそうだよ!(笑)」
一同「(笑)」
木津「大人でも自分が本当に好きなことやってる人たちってホントに魅力的に見えるので、そういうところを見習いたいです。自分も頑張ろうって思わせてもらいました」
【作品情報】
「元メンに呼び出されたら、そこは異次元空間だった」
8月27日より東京・渋谷HUMAXシネマにて2週間限定公開、9月10日より大阪・なんばパークスシネマにて1週間限定公開
解散したアイドルグループ・makes.のメンバーだったつばさ(木津)、翔太(高崎)、諒(北村)は、グループ解散の原因となったメンバー・岳(松田)から呼び出され、久しぶりに再会する。だが、当の岳は現れず…!?
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(応募期間:2021年8月11日正午~8月18日午前11:59)
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取材・文/高瀬純 撮影/藤木裕之 ヘア&メーク/成谷充未 スタイリング/ヨシダミホ