新星求む――。東京五輪柔道男子100キロ級で金メダルを獲得したウルフ・アロン(25=了徳寺大職)が、ライバルの出現を熱望した。
100キロ超級への階級変更を視野に入れていたウルフは、男女混合団体決勝で同級のテディ・リネール(フランス)と対戦。その際に「ヒザの状態に不安が残るような試合だった。超級の選手は1個1個の技が重い」と感じたことから、現状の100キロ級で2024年パリ五輪に挑戦する意向を示した。
「100キロ級でやると思います。ヒザの負担は大きなケガにつながってそこからの選手生命が危うくなることもありますけど、減量はただきついだけなので死ぬということはないです(笑い)」と冗談を交えながらも主戦場を変えるつもりはなさそうだ。
一方、ウルフは「同じ階級に日本人のライバルがいるか、いないかでモチベーションとして変わってくる。競い合うライバルがいるのは大事なことだと思うので、それはいてくれたほうがいいのかなと思います」。100キロ超級には五輪代表の原沢久喜(百五銀行)、昨年2月にリネールを破った影浦心(日本中央競馬会)らがいるが、100キロ級の現状は「あまりモチベーションが上がらないですね。そういう部分ではもっと下から追い上げてもらいたいですし、そのほうが僕もモチベーション上がりますし、もっとバチバチにやっていきたいですね」と、〝新しい力〟に期待した。
11日は千葉・浦安市の内田悦嗣市長を表敬訪問。ウルフは「ここまで浦安市民の方たちが応援してくれたこともとても力になった。これからも浦安市民ではないですけど、浦安市にゆかりがある選手として恥じないような行動をしていきたいと思います」と話した。