「スポーツは親交を深めるべきもの」オランダGP開催を前に、元F1ドライバーのラマースがファンへ呼びかけ

 F1オランダGPスポーティングディレクターを務める元F1ドライバーのヤン・ラマースは、すべてのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)のファンに向けて、来月ザントフォールトでルイス・ハミルトン(メルセデス)に対し、スポーツマン精神を示すよう呼びかけた。

 歴史的なザントフォールト・サーキットをグランプリレースのカレンダーに復帰させるために、ザントフォールトと地元自治体が協力して努力した結果、1985年以来となるF1カレンダーへの復活が決まった。オランダは昨年F1に復帰する予定だったが、新型コロナウイルスの世界的流行の拡大により、残念ながら主催者はイベントの中止を余儀なくされた。

 ラマースが語ったところによると、会場と多くのスタッフがザントフォールトの“マジック”を復活させる準備ができており、国内の新型コロナウイルス感染件数を引き続き注意深く監視しているオランダ政府から、最終的な許可が今週末にも与えられる予定だという。

「政府と定期的に話し合いをし、連絡を取っている」とラマースは月曜日にオンラインメディア『NU.nl』に語った。

「それは我々共通の関心事だ。なぜならオランダ政府もグランプリについて非常に誇りに思っており、熱心に取り組んでいる。開催は可能なはずだ。誰もがコロナの件数に取り組まなければならない。そして彼らは正しい方向に進んでいる」

「オランダ政府の講じた措置のおかげで、我々は自信をもってグランプリを楽しみに待つことができる」

2012年型マシン『RB8』でザントフォールトを走行したマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

 F1のザントフォールト復帰は“マックス祭り”となり、大勢のフェルスタッペンファンがグランドスタンドに溢れ、彼を応援しようと熱狂を巻き起こすと予想されている。

 しかし最近の出来事と、タイトル争いをしているフェルスタッペンとハミルトンのライバル関係、そしてレッドブルとメルセデスの間にある熾烈な対立状態があることから、オレンジに身を包んだ熱烈なファンの一軍が、ザントフォールトで7度の世界チャンピオンであるハミルトンに野次を飛ばすかもしれない可能性がある。

 ラマースはハミルトンが受けるに値する尊敬を彼に示すよう同胞に呼びかけた。

「スポーツは親交を深めるべきものであり、我々はサッカーにおけるフーリガンの状況に陥ってはならない」と元F1ドライバ―のラマースは述べた。

「これは感情についての話だ。アヤックスのファンをフェイエノールトのファンにすることはできないし、逆もしかりだ。誰にでも好みがあるのは理にかなったことだ」

「しかし文明的な方法でそれに対処しようではないか。我々のスポーツマン精神とホスピタリティで、ハミルトンを驚かすようなやり方で対処するのだ」

「リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドに匹敵し得る、7度の世界チャンピオンのことについて話しているのだ。スタジアムでは大きな拍手で彼らを迎えなければならないし、ひとつの出来事に反応するべきではない」

2021年F1第7戦フランスGP 予選後のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)

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