後半戦の起爆剤になるか 巨人の大砲候補が次々〝中島化〟の裏事情

〝中島化〟が進む広岡(左)と北村

後半戦のロケットスタートを狙う原巨人で「ナカジブーム」がひそかに巻き起こっている。チーム最年長の中島宏之内野手(39)の打撃フォームを〝完コピ〟した右の大砲候補たちが、公式戦中断期間に次々に結果を残したのだ。逆転でのリーグ3連覇を狙う巨人に果たして何が起こっているのか…。

11日に東京ドームで行われた一軍練習には侍ジャパンで金メダルを獲得したキャプテン・坂本勇人内野手(32)が合流。ドミニカ共和国代表で銅メダルを獲得したメルセデスとともにナインから祝福された。

13日の中日戦(東京ドーム)からいよいよ後半戦がスタート。首位・阪神を逆転してのV3に向け待ったなしだが、坂本抜きの巨人はオリックス、ソフトバンク、日本ハムとのエキシビションマッチ7戦で3敗4分け。前半戦最終カード・ヤクルト戦は2戦2敗、侍ジャパン強化試合(7月25日)も黒星と、最後の勝利は7月11日の阪神戦(甲子園)までさかのぼる。

もちろん練習試合の主目的は主力の調整と若手の底上げ。そんななか、結果を残したのが22打数7安打、3割1分8厘、1本塁打の北村拓己内野手(25)と6打数2安打、3割3分3厘、1本塁打の広岡大志内野手(24)だ。

右の好打者2人はどちらも打席では両手でバットをもみながら、ゆったりと構えてボールを待つ。大きなフォロースルーまで、そのフォームは中島にそっくりだ。

当の本人たちは〝中島化〟について「いや、意識はないです。中島さんに結構バッティングは教わってるので」(北村)「最初(フォームを)変えた時に、よく言われたんですけど、そんな意識しているワケじゃないので。リラックスするという感じで構えてたら、そういうふうに見られている」(広岡)と、そろって意識したものではないことを強調。チーム関係者は「北村は一時期は自主トレに一緒に行った坂本に打撃フォームがそっくりだった。ただフォームだけまねても、坂本の天才的なセンスがないと結果にはつながらない。中島のフォームの方がしっくり来たのでは」と分析する。

北村は「あれだけヒット、ホームランをたくさん打った選手(中島)が身近にいるのは、坂本キャプテンもそうですけど、いい教材がいるので、日々盗んで成長していきたい」と自然と似てしまったと告白。一方、広岡は「ファームで阿部(二軍監督)さんとバッティングについていろんなこと試させてもらっていた」と阿部二軍監督の助言を生かしているという。

とにかく、坂本、岡本和に続く右の大砲育成はチームの急務で、期待の若手が〝中島化〟によって急成長を遂げれば万々歳だろう。肝心の中島にしてみれば、同じフォームの〝弟分〟の台頭は自身の出場機会の減少にもつながるのだが…後半戦の北村と広岡の打棒から目が離せない。

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