【横浜市長選】横浜駅に巨大バナー登場 投票率アップなるか コロナ禍の啓発に四苦八苦

横浜市長選の投開票日を知らせる超巨大バナー=10日、横浜駅西口のJR横浜タワー

 22日投開票の横浜市長選で、投票率アップに向けたさまざまな取り組みがスタートしている。市選挙管理委員会は人気芸能人を起用したバナーや広告を一斉に掲示。市内の一部商業施設では、投票した人向けの割引サービス「選挙割」を実施する考えだ。ただ、新型コロナウイルスの影響で選挙と連動したイベントを控える動きも見られ、市選管などの関係者は気をもんでいる。

 県内最大のターミナル、横浜駅。昨年6月に開業したJR横浜タワーの吹き抜けに超大型のバナーが登場した。高さ12.5メートル、幅7.2メートル。お笑いコンビ「ホンジャマカ」の石塚英彦さん(59)と元AKB48チームBキャプテンの倉持明日香さん(31)が人さし指を立て、「笑顔で1票」「明日への1票」と笑顔を浮かべる。

 市選管によると、市長選を啓発するバナーとしては「過去最大」。同駅の中央通路などにも、大型広告をずらりと張り巡らせた。過去の市長選では10~20代の投票率が世代別平均を大幅に下回っているため、担当者は「若い世代が多く利用する横浜駅で、圧倒的なインパクトで投票を呼び掛けたい」と狙いを明かす。

 一方、スーパー銭湯「天然温泉満天の湯」(同市保土ケ谷区)では、投票所で発行される「投票証明書」を持参した人を対象に「選挙割」を始める。期日前投票を含む8月18~22日の5日間、投票証明書の提示で入浴料が最大半額の500円(通常・平日880円、休日980円)となる。

 最近は若い世代の利用客が増えているといい、三村安広支配人は「若年層をはじめ幅広く選挙に関心を持ってもらい、投票する機会になれば」と話している。

 市選管は前回(2017年)市長選の投票率37.21%からの底上げを狙うが、コロナの感染拡大に伴う緊急事態宣言下での異例の市長選ということもあり、思うように啓発活動が展開できていないのが実情だ。

 市選管は11日に横浜・みなとみらい21(MM21)地区で啓発キャラクターの石塚さん、倉持さんを招いた投票率UPイベントを予定していたものの、緊急事態宣言発出を踏まえ中止に。

 市内の商店街は例年、「選挙割」を率先して行ってきたが、コロナ禍で「商売自体が厳しい」と商店主。外出自粛が叫ばれている中で「集客イベントを打ちづらい」と二の足を踏む。

 市選管によると、9日から始まった期日前投票は各区役所や地区センターなど市内約40カ所に投票所があり、一部を除き投票日前日の21日まで投票できる。担当者は「投票は『不要不急の外出』には当たらない。期日前投票なども活用して積極的に活用してほしい」と呼び掛けている。

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