黒から白へ、色数も極力少なく…若者のファッションが意味するものは?

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。7月27日(火)放送の「フラトピ!」では、“データで見る若者のファッション”について取り上げました。

◆若い女性のファッション、その色使いに大きな変化が

今回、「データで見る若者のファッション」について解説するのは、博報堂生活総合研究所 上席研究員でデータ分析などをもとにした生活者研究と未来予測に取り組むNewsPicksのプロピッカー・酒井崇匡さん。

まずは、1984年から現在までの約40年、ファッションメディア「ACROSS」が毎月渋谷・原宿・新宿の路上で撮影した若い女性の服装写真、約1万5,000枚を博報堂生活総合研究所が解析した「服装に使われている色の面積比率の推移」を見ると、グレーや白といった明るく、淡い色が年々増え、黒やカーキなどの暗い色は減少傾向にあることがわかります。

さらに、別角度の解析では洋服に使われる色数が少なくなっている傾向も見られ、酒井さんは「服装のコーディネイトは明るく、少ない色でまとめるのが若い女性の間で鉄板になってきている」と解説します。

そうなると、見た目が同じようなファッションが増えますが、「今の若い女性は、ある種(個性的で)浮くような服装を避ける傾向がある」と酒井さん。ただ、それはこだわりがないということではなく、「みんなに自分のこだわりをわからせたいというより、わかる人にわかればいい。自分が満足できればいいという考えの人が増え、こだわりのポイントがより細かな、ディティールになっている」と指摘します。そして、「全体としては、見た目が似通った形になり、そういう意味ではとても成熟した考え方になっていると言える。こだわりを自分で持っていればいいだろうということ」とも。

Z世代のキャスター・田中陽南は、「実際、(洋服は)白やベージュをつい買ってしまう。いい意味で周りのことはあまり気にしないというか、ファッションで人のことを気にしないというのはあると思う」と酒井さんの意見を後押ししつつ、「個人的に白い服は写真映えするので、SNSが流行ったことも関係あるのでは」と補足。これは酒井さんも同意見のようで、「好きなインテリアや小物とテイストを合わせ、ファッションと一緒にInstagramなどに上げることも増えている」と付け加えます。

「東京新聞」整理部 整理記者の大島晃平さんは酒井さんの話を聞き、「個性を主張する場が洋服ではなく、例えばSNSと発信になっている」と感想を述べ、黒い洋服が減っている理由については「気温の上昇もあるのでは?」と推察。番組Twitterにも、「暑さに耐えかね、白いパンツを購入した」という意見がありました。

◆若い男性の美容意識が向上、その背景にはテレワークが!?

今や男性のコスメも言われて久しくなりましたが、実際10~20代の男性に「男性のメイクについてどう思うか?」と質問してみると、2018年の時点で「メイクをしている」が11.7%。「チャレンジしたい」が23.3%。「自分はやらないけれどアリ」という人を含めると男性のメイク肯定派は約8割にのぼります。

酒井さんたちが行った直近の調査でも、Z世代の男性は以前に比べ美容意識が高いという結果が出ており、量販店などでも男性化粧品の売り上げが年々上昇。「先端層から徐々に広がってきている」と酒井さん。その背景の一端にはテレワークがあり、「男性が自分の顔をマジマジと見る機会が増えた。それも追い風になっているのではないか」と言い、今後は若者だけでなく、上の世代にも広がるとの見解を示します。

こうした男性の美容意識は、化粧品メーカーにとっては大きなビジネスチャンス。酒井さんは「これまで女性だけだったものが、単純にターゲットが2倍になると考えると大きな変化。肌質など男女で課題の違いもあるが今後が楽しみ」と期待を寄せます。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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