ブルージェイズ・ビシェット メジャー史上6人目の快挙達成なるか

2年ぶりの本拠地トロント帰還を果たしたブルージェイズでひそかに注目を集めている選手がいる。若き正遊撃手のボー・ビシェットだ。今季ここまで111試合に出場して打率.292、20本塁打、77打点、OPS.815と自慢の強打を発揮しているビシェットだが、走塁面では17盗塁を記録して成功率100%をキープ。盗塁死の正確な記録が残っている1951年以降、シーズン20盗塁以上で成功率100%を記録した選手は5人しかおらず、ビシェットは史上6人目の快挙達成なるか注目されている。

1951年以降の70年間でシーズン20盗塁以上かつ成功率100%を記録した選手は以下の5人だ。

1988年 ケビン・マクレイノルズ 21盗塁
1994年 ポール・モリター 20盗塁
2009年 チェイス・アトリー 23盗塁
2012年 クインティン・ベリー 21盗塁
2013年 アルシデス・エスコバー 22盗塁

今季10盗塁以上で成功率100%の選手はビシェットを含めて4人。グレゴリー・ポランコ(パイレーツ)が13盗塁、アメッド・ロサリオ(インディアンス)が12盗塁、ニッキー・ロペス(ロイヤルズ)が10盗塁を記録しているが、17盗塁のビシェットが「史上6人目」に最も近い位置につけている。

ビシェットのスプリント・スピード(平均28.1フィート/秒)はメジャー平均(27.0フィート/秒)を上回っているものの、特別早いわけではなく、遊撃手のなかでも18位タイに過ぎない。また、一塁からのリードも決して大きくないというデータが出ている。さらに、マイナー時代の成績を見ても、盗塁成功率が特別高い選手というわけではなかった。つまり、今季の盗塁成功率100%という数字は、ビシェットが盗塁が成功する可能性の高いシチュエーションを正確に判断できるようになったことの証と言えるのではないだろうか(今季のビシェットは17盗塁のうち8盗塁を捕手の送球なしで決めている)。

ブラディミール・ゲレーロJr.の打棒に注目が集まっている今季のブルージェイズだが、ビシェットの盗塁に注目してみるのも面白いかもしれない。

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