一体だれが?寺にサンダルや靴100個以上 「理由分からないが収集癖ある」

100足超のサンダルや靴が境内に運び込まれた乙訓寺(長岡京市今里3丁目)

 弘法大師ゆかりの古刹(こさつ)、乙訓寺(京都府長岡京市今里3丁目)の境内に100個以上のサンダルや靴が運び込まれ、関係者が困惑している。付近ではキツネが目撃されており、同寺は神の使いならぬ困った「盗人」に注意を呼び掛けている。

 乙訓寺では5月末から6月にかけて、毎日片方だけの5、6個のサンダルや靴が境内の道や木の下に散らばり、早朝に職員が回収した。7月に入ってからは落ち着いたという。損傷の激しいものは処分したものの、100個近くを保管した。

 同寺によると、寺の門前や近くの道で朝にキツネを見たという参拝者がいたという。同寺の住職の妻川俣泉美さん(52)は「かみ跡が残るサンダルもあり、キツネの仕業のようだ。日中は見たことがないので夜に忍び込んでいるのだろう」と話す。

 寺の近くでは2018年5月に今里1丁目の空き家で、庭などにスリッパ60個以上が散乱しているのが見つかっている。巡回中の向日町署員が、巣穴と、キツネ2匹がいるのを付近で目撃し、状況証拠からキツネの「犯行」と推定している。

 京都市動物園の獣医師岡橋要さん(53)は「キツネには理由は分からないが、サンダルなどの収集癖がある。夏場に被害を受けるケースが多い」と話す。

 乙訓寺は「屋外にサンダルなどを出すとキツネに盗まれる恐れがある」と呼び掛けている。

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