カッパ伝説のある「新潟県立大潟水と森公園」(新潟県上越市)にカッパ像が設置

上越教育大学(新潟県上越市)の教授や講師、大学院生など16人が、地元の「新潟県立大潟水と森公園」に残る伝説を元に18体のカッパ像を製作し、11日には内7体を同公園入り口周辺へ設置した。

「新潟県立大潟水と森公園」内の鵜ノ池には「カッパが住んでいた」との伝説が周辺の上越市大潟区には伝えられており、現在でも上越市の公式ホームページに記載されているほか、新型コロナウイルス感染症の影響で昨年から2年連続で中止になったものの、地元では「大潟かっぱ祭り」というイベントが毎年6月に30年以上行われている。

同公園は開設から今年で20周年を迎えることから、この伝説を元にしたカッパ像の製作を地元の上越教育大学へ依頼。製作に携わった内の1人である韓国出身のユ・キチョン講師は、地元にカッパという概念が存在せず詳細について知らなかったため、イメージを膨らませるためにインターネットでカッパについて調べたり、資料に当たったりするなど苦労したという。

同大学の大学院には中国や台湾の留学生もいたが、全員カッパのことは知らず、ユ講師は「カッパは日本だけの妖怪だと思う」と話す。「私は日本のテレビ番組でカッパの姿を見たことがあったので、頭の上の皿など重要ところだけ抑えて、後はイメージで作った」(ユ講師)。

上越教育大学大学院の講師が製作したカッパ像

素焼きのカッパ像と製作した坂木杏未香教諭(中央)

また7体のうちの1体、茶色の素焼きのカッパ像は富山県在住の高校教諭(美術)の坂木杏未香さんの手によるものだが、坂木さんはこのカッパを同大学に通っていた昨年に製作したという。坂本さんは「公共施設に作品を提供できることはなかなかない。生徒に教える上で、新潟のことを話すきっかけになり、新潟を知ってもらうきっかけになる」と話していた。

同公園の職員も「今日設置しなかった残りの像は9月下旬に設置する予定。設置されたカッパ像は存在感があり、公園内のいろいろな場所に置いてあるので、これを機に公園に来て、公園内の色々な場所を巡ってもらいたい」と期待を語った。

カッパ像の設置作業

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