ライオンズの若き龍・綱島龍生選手の活動報告 〈6〉今受け止め必死に練習

 梅雨の中休みとなった7月1日、埼玉県所沢市の気温は32度と真夏日を記録していた。チームがビジターで試合をしている中、ライオンズトレーニングセンター(室内練習場)に響く打球音。練習後のバッターボックスに目を向け、「足場がぬれたやつは初めてだよ」と驚くコーチの言葉。それは土の色が変わるほどの綱島龍生の汗だった。

 「悔しいです。試合に出たい」。チームに帯同せず、一人、居残り練習をしている綱島に笑顔はない。

 6月ごろから残留練習をする日が増え、自身の打撃を模索する日々が続く。〝柔軟性がない〟こと、これが綱島の今の課題だ。「足の使い方を一度リセットして、違う自分を探しています」。打撃マシンに相対し、手応えの良かったフォームをひたすら身体に染み込ませる。

 守備もひたすら技術向上を目指す日々だ。「筋力は強い方で力はある。上半身に頼らず下半身主動で流れる方向へやっていければもっと楽にさばけると思う」という田邊徳雄3軍統括コーチのアドバイスを受け、マンツーマン指導でボールに向き合う。

田邊3軍統括コーチ(右)から守備の指導を受ける綱島(球団広報部撮影)

 1990年からリーグ5連覇を遊撃手としてチームを支え、後に二塁や、三塁も守った田邊徳雄。経験豊富な内野のユーティリティーは、「1歩のところを2歩使うとか、細かいステップを踏めるのが内野手」だと語るが、綱島には守備でも柔軟性を求める。

 ファームも公式戦が始まり早2週間。まずは2軍で〝打率3割〟を目標に掲げる綱島にとってこんなに悔しい時間はない。6月30日に完成したCAR3219(カーミニーク)フィールド(旧西武第二球場)を見て、「早くベンチに入りたい。今の自分をしっかり受け止めて必死になってやっていきます」と力強い表情で話してくれた。(西武ライオンズ広報部)

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