【インタビュー後編】９月１０日に公開されるオカルト怪談映画「未成仏百物語～ＡＫＢ４８異界への灯火寺～」に出演するＡＫＢ４８の武藤十夢（２６）。女優としても活躍しながら、超難関「気象予報士」の資格を持ち、ファイナンシャル・プランナーの試験にも合格し、昨年には大学院も修了した。後編となる今回のインタビューでは、武藤が秘めるグループへの熱い思い、今後のアイドル活動への決意に迫った。
――資格取得などが注目され、特に現役アイドルとしては異例の「気象予報士」の資格にも合格した
武藤 自分の自信につながったことが一番大きかった。当時、歌もダンスもできなくて何も取りえがなかったんです。その中で一つのことを頑張って、結果に結びついた経験は大きな自信になりましたね。でも、「頭がいい」という声はプレッシャーです。頭が良かったら、気象予報士の試験に７回も落ちてないですし（苦笑い）。「頑張ったね」と言われる方がうれしいです。
――ただ、アイドル活動は〝努力〟が必ずしも報われるわけではない
武藤 資格とは違いますよね…。だから資格取ってるんですかね（笑い）。でも、アイドルは難しいなって思いますね。個性的な部分がいい方向に転ぶときもあれば、よくない方向に転ぶこともある。やっぱり資格を取る以上にアイドル活動は難しいと思います。
――武藤さんの目指すアイドル像は
武藤 私は絶対的に王道のアイドルではないので（苦笑い）。キラキラしててかわいくてではない。でも、ＡＫＢ４８は自由なので、私みたいな人が一人いてもいいのかなって。私が楽しくしていて、それを応援してくださるファンの皆さんも楽しんでもらえたらなと。ほんと単純ですね。あとは…
――あとは？
武藤 アイドルが輝けるのは、ライブだと思うんです。この前の単独コンサートや峯岸みなみさんの卒業コンサートでも、ステージでみんなでリハーサルしたり、レッスンしているときから「あ、アイドルだな、自分」って感じる瞬間があった。単独コンサートは、ゆきりんさん（柏木由紀）がセットリストなどを考えてくださって。私はゆきりんさんと一緒に「誘惑のガーター」（ＳＤＮ４８楽曲）をやらせていただいたんですけど、リハから死ぬほどゆきりんさんの動きを研究した。首の角度とか腰の反り具合とか、足の上げ方とか。目線の使い方もめちゃくちゃ見たんですよ。あとはＳＤＮ４８さんの初期のころのメンバーさんの踊る姿を動画で見たり。すごい研究をして！ 資格の勉強とは違うかもしれませんけど、やり方は染み付いてるのかなと思いました（笑い）。
――後輩メンバーと出演する「未成仏百物語～ＡＫＢ４８異界への灯火寺～」では、怪談座談会でまとめ役をした
武藤 本当にいつの間にか先輩になってたなって感じが（笑い）。峯岸（みなみ）さんの卒業コンサートのときに、ＯＧの方がたくさん来て「久しぶり～」って話をして。それこそ宮澤（佐江）さんや（大島）優子さんに「私、峯岸さんが卒業したらチームＫの最年長なんですよ」って話したら「え～！ 十夢が！」ってなってたので（笑い）。そういう立ち位置になってきたんだなと。もっとしっかりしなきゃいけないなと思いますね。私はみんなが目指すアイドル像ではないかもしれないけど、先輩らしい背中を見せられるように頑張りたいと思います。
――７月から冠番組「乃木坂に、越されました～ＡＫＢ４８、色々あってテレ東からの大逆襲！～」（テレビ東京系）もスタート。タイトルがまた…
武藤 あれはね…なかなかふざけた名前ですよね（笑い）。私は「は！？」って思いました（笑い）。でも、面白いとも思いますし、何かの取っ掛かりになればと思います。でも、いいんですけど、やっぱり私はみんながＡＫＢ４８の一員である、歴史の長いグループにいる一人のアイドルであることをプライドを持って活動してもらいたいという思いもあります。
――熱い
武藤 ９月には１年半ぶりにシングルも出ます。あのシングルもほんとにめちゃめちゃ練習したので！ 群を抜いて過去最高難度のダンス。見ている方にどういう風に刺さるかどうかは分からないんですけど、なるべく多くの方の心に残る曲になったらいいなと思います。私たちももちろん頑張りますし、それをきっかけに他にももっともっとＡＫＢ４８は変わっていくと思う。常に変化の多いグループですので、私ももちろんですし、それぞれがＡＫＢをこれから引っ張っていくというか、世に知らしめていくんだぞという気持ちを持って、これからも頑張っていけたらなと思います。
☆むとう・とむ １９９４年１１月２５日生まれ、東京都出身。２０１１年にＡＫＢ４８第１２期研究生オーディションに合格。選抜総選挙で７位にランクインするなど人気メンバーとして活躍。１９年４月に８度目の挑戦で気象予報士に合格。昨年４月に成城大学大学院経済学研究科修了。今年６月に「ファイナンシャル・プランニング技能士２級」の資格を取得した。現在、ＡＢＥＭＡの情報番組「ＡｂｅｍａＭｏｒｎｉｎｇ」でお天気キャスターとして出演する一方、投資情報誌「ダイヤモンドＺＡｉ」で連載も持つ。
