大好きな南島原の魅力発信 「カタシテ!」 出身学生がインスタグラムで

インスタグラムで南島原の魅力を発信している「カタシテ!」

 離れていても大好きな古里を盛り上げたい―。長崎県外に在学中の同県南島原市出身の幼なじみの学生10人が先月、同市の景勝や名産品、食などの魅力を写真共有サイト「インスタグラム」で発信し始めた。アカウント名は「カタシテ!」。在学先は国内外各地にまたがっており、新型コロナウイルス禍で帰省もままならない中だが、LINE(ライン)などで連絡を取り合って毎日更新を続けている。

ネットで機運
 10人は小、中学校の同級生でいずれも20~21歳。うち6人がオンラインで取材に応じてくれた。活動開始のきっかけは今年5月。大阪府に住む福田航平さん(21)は「コロナ禍で地元の友達と会えていないので、ネットを通して集まりたいと声を掛けて集まってくれたのが、このメンバーだった」と振り返る。
 人口減少やコロナ禍による地域経済への影響が深刻な南島原。オンラインで語り合ううち、「自分たちができることをやろう」と機運が盛り上がった。離れて暮らしていても一緒に発信が可能で、若い世代にアピールできる手段としてインスタグラムを選んだ。

オンラインで取材に応じる「カタシテ!」のメンバー。上段左から時計回りに、福田さん、松藤さん、山田さん、日向さん、豊増さん、中島さん

 独自のコピー
 7月上旬にアカウントを開設。「カタシテ!」は県内の方言で「仲間に入れて!」という意味。南島原で実地に撮影ができないため、写真をネットに掲載している知人や住民、お店などに連絡を取って提供を依頼。「圧倒的穴場の海水浴場」(前浜海水浴場)「やっちゃうまか」(島原手延そうめん)といった独自のキャッチコピーや、解説文を付けている。毎日写真を追加しており、約40点を公開中。
 メンバーはLINEで毎日連絡を取り合いながら、必要な作業を分担。福岡市の大学に通う豊増つむぎさん(21)は「自分も知らなかった南島原のいい所や、新たな魅力を知ることができる」とやりがいを強調。京都市の中島浩一朗さん(20)も「仲のいい友達と同じ目的に向かって活動するのが楽しい」と語る。
 福岡市の日向ひかるさん(20)は「大学や県外の友達から『海きれいだね』『おいしそうな食べ物があるね』と言われて、うれしかった」と手応え。韓国の大学に在学中の松藤いくみさん(20)は「インスタグラムのフォロワーをもっと増やしたい」と意欲。
 1000人が目標
 「夏は地元に帰省できるメンバーもいるので、自分たちでも写真を撮りたい。8月末までにフォロワー1000人達成が目標」と、兵庫県の大学に通う山田瑞季さん(21)。将来はネットでの発信にとどまらず、南島原の美しい自然や豊富な農産物などの魅力を生かした〝リアル〟のイベントを古里で開きたいと、夢を広げている。
 インスタグラムのアカウントは@katashite_minamishimabara


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