〝邪道〟大仁田が卓球・水谷隼にカムバック要求「パリ五輪での飛躍に必要な存在」

クロちゃん(左)に好き放題にやられた大仁田

〝邪道〟大仁田厚(63)が、東京五輪の卓球混合ダブルス金メダル、男子団体銅メダルの水谷隼(32=木下グループ)にカムバックを求めた。プロレスファンで、特に電流爆破デスマッチ好きで知られる水谷とは、2017年の本紙お正月特別号で対談し、以降も絆を深めてきた。現役を退く意向を示している男子卓球界の第一人者に、邪道は「パリ五輪への準備を!」と呼びかけたが――。

大仁田はDDT「WRESTLE PETER PAN 2021」(21日、富士通スタジアム川崎)で安田大サーカス・クロちゃんとの最終決戦を迎える。第0試合の電流爆破8人タッグデスマッチ(大仁田、高木三四郎、彰人、伊藤麻希組対クロちゃん、スーパー・ササダンゴ・マシン、黒田哲広、乃蒼ヒカリ組)に向け、12日には爆破実験に臨んだ。

ところが、わざと遅刻したクロちゃんに心を乱された揚げ句、スイカを口にねじ込まれる始末。さらにはクロちゃんとヒカリから電流爆破バット攻撃を食らうなど、好き放題やられてしまった。

勝てば「電流爆破の利権をいただく」と宣言する因縁のお笑い芸人に〝前哨戦〟で完敗を喫した形となったが「今回は作戦負けした。でも本番はそうはいかない。(クロちゃんが負ければ)俺の傘下に入れ。仕事のギャラの30%は俺と高木社長で分ける」と逆要求しプライドをのぞかせた。

この日は踏んだり蹴ったりだった邪道だが、本紙が東京五輪の話題を振ると表情が一変。「俺らの時代、昭和では考えられなかった」と新種目のスケートボードなどで10代メダリストが相次いで誕生したことに、63歳も大きな刺激を受けた。同時に衝撃を受けたのが水谷の引退表明だ。

「水谷選手から『応援ありがとうございました』ってメッセージがきましたよ。引退はやっぱり寂しいですね」と悲しげな表情。2018年にプロとアマチュアの混在型となる「Tリーグ」が発足する前、本紙対談で水谷がプロ化の夢を語っていたことを挙げ「引退後はプロデューサー的な立場にいくんじゃないですか。ハードコア好きな人はなかなかいないし、邪道を認めてくれる人にはエールを送りたい」と語った。

その一方で、24年パリ五輪で卓球男子がさらなる飛躍を果たすには、水谷の存在が必要不可欠だと強調。「ここぞという時にああいう人がいないと。僕はパリ五輪までやってもらいたい気持ちはあった。俺は7回辞めて7回カムバックしたから、そんなやつから言われたくないかもしれないけど。卓球はシングルス、ダブルス、団体、混合と種目も多いし、10代、20代と若い人が多い中で特に団体なら駆け引きができる人間が絶対必要。いつでもパリ五輪に出られる準備はしといた方がいい」

最後は「金メダルをかじらせてくれとは言わないけど、一回見せにきてくれ。ここでかんだら大ひんしゅくだぞ」と言い残し会場を後にした。

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