映画『モロッコ、彼女たちの朝』監督インタビュー解禁!「地球の反対側にある日本に届けられることに言葉以上に感動」

『モロッコ、彼女たちの朝』を8月13日(金)にTOHOシネマズ シャンテ他にて全国公開。カンヌ、アカデミー賞と、世界で脚光を浴びる新星マリヤム・トゥザニ監督インタビューが到着。 本作の監督を務めたのはモロッコ・タンジェ生まれの新星マリヤム・トゥザニ監督。ロンドンの大学でジャーナリズムを学んだ後、モロッコへ帰国。初めて監督を務めた短編映画『When They Slept』(12)は、数多くの国際映画祭で上映され、17の賞を受賞した。さらに夫であるナビール・アユーシュ監督作『Razzia』(17) では、脚本の共同執筆に加え主役を演じるなど、女優としても活躍。その才能を多方面で存分に発揮している。今年、共同脚本で参加したアユーシュ監督最新作『Casablanca Beats』がカンヌのコンペティション部門に出品された。長編デビュー作となった本作では女性監督初のアカデミー賞モロッコ代表に選出されるという快挙を成し遂げている。 本作の物語について監督は、次のように語る。

「『モロッコ、彼女たちの朝』は人生につまずき、逃避や拒絶に救いを求める2人の孤独な女性の物語です。2人はお互いに向き合い、思いやり、支え合うことで次第に心を通わせていきます。サミアは子どもを身ごもり、生まれてくる命に困惑する女性です。彼女の意思とは裏腹に、お腹の子は日に日に成長し大きくなっていきます。一方アブラは喪失感に苦しむ女性です。大切な人の死によってふさぎ込み、抜け殻のような日々を送っていました。2人はこの上なく美しくも過酷な出来事を通じて人生と向き合うことになります。」

イスラム教圏のモロッコでは、婚外交渉は違法であり、婚外子は社会的にもタブーとされている。本作は、監督とその両親が、見知らぬ未婚の妊婦を家で匿い、出産から養子に出すまでを世話したという実体験を元に作られた。

「心の奥底で、この子を手放さずに社会や両親、家族と向き合ってほしいと願いました。私はナイーヴでしたし、恐らく今もそうでしょう。当時はこの女性が私の心の中に、こんなにも長い間居続けるとは夢にも思っていませんでした。私自身が母になるにあたり、一刻も早くこの物語を書き、伝えなければならないと感じました。しかし母になることは私の喜びでもありました。こうして物語は形を成していきました。」

最後に日本の観客へ向けてメッセージが。

「日本で劇場公開されることにすごく感動していて、大変光栄だし、誇りに思います。日本のスクリーンで上映されるということ、2人のキャラクターたちの真実がモロッコから大きな旅に出て、地球の反対側にある日本に届けられること、皆さんが1時間半以上それを観て彼女たちになることができることというのは、言葉以上に感動することです。とても感謝しています。」

モロッコの長編劇映画、日本初公開となる本作。これまでなかなか触れる機会の少なかった遠い国の女性たちの感動の物語を、異国情緒にあふれる旅気分とともに、ぜひスクリーンで発見していただきたい。 ©︎ Lorenzo Salemi ©︎ Ali n' Productions – Les Films du Nouveau Monde – Artémis Productions

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