河村市長&張本勲氏の共通点 擁護論少なく「悪気ないのがタチ悪い」「謝罪に誠意ない」

張本勲氏(左)と河村たかし市長

東京五輪の閉幕から5日経過した今も世間から冷ややかな目で見られている2人の人物がいる。名古屋市の河村たかし市長(72)、TBSテレビ系「サンデーモーニング」に出演の野球評論家・張本勲氏(81)だ。

衆知の通り、河村市長はソフトボール女子の後藤希友投手(トヨタ自動車)から表敬訪問を受けた際に金メダルをかじる前代未聞の行為で大きな批判を浴び、張本氏は東京五輪女子フェザー級金メダルの入江聖奈(日体大)に対して「嫁入り前のお嬢ちゃんが顔を殴り合ってね。こんな競技好きな人がいるんだ」と発言して物議を醸した。

前者は後藤投手所属のトヨタ自動車も遺憾の意を表明。世間から猛批判を受ける中、各競技団体の選手団を統括する日本オリンピック委員会が間に入り、大会組織委は新品の金メダルに交換する準備を進めており、国際オリンピック委員会(IOC)が費用を負担することで話がまとまりつつある。一方、後者は日本ボクシング連盟から抗議文を送られたTBSから謝罪文を送付。こちらも解決に向かっている。

双方とも問題は収束しつつあるが、いまだ世間の関心は高い。時代錯誤をうかがわせる両氏の言動には共通点が指摘され、ネット上では「河村市長」「張本氏」をひとくくりにした考察が多く見られる。

中でも顕著なのが「悪気がない」という両者の共通項で、それゆえに「タチが悪い」という意見だ。SNSなどでは「本人たちは全く悪気はなく当然と思っているから厄介」「悪気がある方が修正の余地があるからマシ」といった見解が目立つ。さらに、この手の批判には一定の擁護論も付随するものだが、今回は極めて少ない。両氏の時代錯誤を糾弾する声が圧倒的で「男尊女卑、パワハラが当たり前の時代を生きてきたから今の時代に順応できてない」「もう時代に取り残された遺物。功績は認めるけど、公の場に出てられるレベルではない」「時代に合わせて自分をバージョンアップできない人間は引退して欲しい」と辛らつな意見が見受けられる。

また、両氏はともに謝罪しているが、それがさらなる炎上を生んでいる。河村氏は会見の中で「謝るしかしょうがないですよ」など開き直りとも受け取れる発言が多数。これには「心からの謝罪を全く感じられない」「なんで謝らなきゃならんのか理解してなさそう」との声が飛ぶ。一方、張本氏は一連の発言について「言葉が足らなかった」とした上で「ボクシングをやる女性が増えてほしいということを本当は言いたかったのです」と書面で弁明したが、「〝こんな競技を〟の発言から〝ボクシングをやる女性が増えてほしい〟はどう考えても無理がある」「あれが謝罪って幼稚園児よりひどい」「謝罪ではなく言い訳」との意見がある。

双方ともバッシングは収まる様子はない。

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