近年の豪雨被害踏まえ 「富士山と酒匂川」の歴史と災害学ぶ 地元足柄の団体が読本

「みんなで学ぶ 富士山と酒匂川」をアピールする関口康弘会長

 足柄地域の郷土史研究団体「足柄の歴史再発見クラブ」(神奈川県開成町吉田島)が、地元の歴史や災害についてまとめた読本「みんなで学ぶ 富士山と酒匂川」を出版した。同クラブが過去に出した書籍から内容を抜粋し、近年多発する大雨被害を踏まえて新たにハザードマップなども掲載した。

 2007年に発刊した「富士山と酒匂川」は、富士山の宝永噴火(1707年)や酒匂川の水害の歴史について学んでもらおうと、開成町や南足柄市の小、中学生向け副読本として作られた。2019年には、10年9月に県西部を中心に起きた記録的な集中豪雨の被害状況などを加筆し、100ページを超える改訂版を出版した。

 今回の読本は、内容を厳選し、関東大震災や東日本大震災、酒匂川の土砂災害などを分かりやすいイラストや写真とともに収録した。足柄地区の歴史を外国人にも知ってもらおうと、日本語の解説に英訳と中国語訳を併記した。

 同クラブの関口康弘会長(64)は「歴史を学び、今後の防災に役立ててもらえたら」と話している。

 A4判52ページのオールカラーで1100円(税込み)。開成町のミクニ書店と同クラブで販売。問い合わせは同クラブ編集担当者(大井さん)電話090(8444)0328。

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