ペドロ・アルモドバル監督最新作『パラレル・マザーズ(原題)』のポスターが解禁された。しかし、ポスターに写っているのは女性の“あの部分”だったことから物議を醸し、一時はInstagramに削除されるという事件が起きた!
あぁ色鮮やかなスペイン! 巨匠アルモドバルの自伝的新作でバンデラスがカンヌ男優賞受賞『ペイン・アンド・グローリー
2021年9月に開催されるベネチア国際映画祭のオープニング作品に選ばれた本作は、アルモドバル監督作品常連のペネロペ・クルスを主演に迎え、同じ日に出産した2人の母親の物語を描く。クルスのほかに、『ジュリエッタ』(2016年)のロッシ・デ・パルマ、『マジカル・ガール』(2014年)のイスラエル・エレハルデ、『マシニスト』(2004年)のアイタナ・サンチェス=ヒホンらが出演する。
ジャニスとアナは、偶然にも妊娠した独身の女性たち。2人は出産を控えた病室で偶然出会う。中年のジャニスは、妊娠を後悔せずに喜んでいる一方、思春期のアナは後悔し、心に傷を負っていた。ジャニスは彼女を励まそうとする。出産までの数時間の間に交わされた言葉が、2人の間に密接なつながりを生み出し、2人の人生を変えていく—。
嘘をつくときの心理を表現し続けるファルハディ監督 新作はペネロペ&ハビエル共演『誰もがそれを知っている』
ポスターに写し出されていたのは……授乳中の“乳首”だった!
この度、Instgramで公開されたポスターには、授乳中の乳首がデザインされており、ネットではすぐに話題に!しかし、Instgramから「露骨な性的表現のあるコンテンツ」との判定を受け、削除されてしまった。その後、ファンが何度もSNSにポスターを投稿したり、「これは芸術かヌードか」という議論を呼んだりと、物議を醸す事態に発展した。
Facebookが謝罪「混乱を招いたことをお詫びいたします」
この一件を受け、ポスターデザインを手がけたハビエル・ジャエンは「Instagramは、私の作品を危険で、人々に見せてはいけないポルノだという。彼らの技術では文脈を区別できないそうだ。私は気にしない。それなら技術を変えればいい」と苦言を呈した。
その後、Instagramの親会社であるFacebookが、ポスターを削除した一連の騒動を謝罪した。
「明確な芸術的背景がある場合など、特定の状況下では例外的にヌードを許可します。そのため、アルモドバル監督の映画ポスターの投稿をInstagramに復活させました。混乱を招いたことをお詫びいたします」と発表した。
巨匠ペドロ・アルモドバル監督、20年越しについにパルム・ドール受賞か?【カンヌ映画祭】
「アルゴリズムは芸術とヌードを選別する心や常識が欠けている」監督が痛烈批判!
アルモドバル監督は、ファンに感謝の気持ちを伝えたうえで、Instagramのアルゴリズムを「芸術と性的なコンテンツを選別する心や常識が欠けている」と批判した。
「『パラレル・マザーズ』のポスターを支持してくれた皆さん、何度も投稿してくれた皆さん、議論してくれた皆さん、メディアで話題にしてくれた皆さん、本当にありがとうございます。あなたたちは、何が卑猥で不快かを決定するアルゴリズムを相手に、ポスターを自由にさせてくれました。これはあなたの勝利であり、偉大な勝利です。私たちは、何ができて何ができないかを機械が決める前に、警戒しなければなりません。私はいつも見知らぬ人の優しさに頼ってきましたが、彼らが人間である限り、そしてアルゴリズムが人間ではない限り、アルゴリズムがどんなに多くの情報を持っていても、心や常識を持つことはありません。皆さん、改めてありがとうございました。この映画が皆さんの期待に応えられることを願っています。」と声明を発表した。
『パラレル・マザーズ』は、2021年12月に全米公開を予定している。日本での公開日は未定。
過激なセックス&暴力描写のポール・ヴァーホーヴェンが“聖女の真実”を描く『ベネデッタ』【カンヌ映画祭】
不倫女性の心情変化を濃厚なベッドシーンで描く『シンプルな情熱』 レティシア・ドッシュにインタビュー「私は愛を定義しない」