普天間のオスプレイが重さ1.8キロの部品落下 沖縄本島中南部飛行中

 12日午後9時半ごろ、米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが、米軍キャンプ・シュワブ(名護市)とキャンプ・ハンセン(金武町、宜野座村)などにまたがる「中部訓練場」と同飛行場の間を飛行中、重さ約1.8キロのパネルと、フェアリングと呼ばれる覆いを落下させた。米側は事故発生から1日近くたった13日夕方、日本政府に通報し、具体的な落下場所は「不明」と説明している。事故発生が明らかとなった13日は、2004年に発生した沖縄国際大への米軍ヘリ墜落事故からちょうど17年に当たり、同飛行場の危険性除去が進んでいない実態が改めて浮き彫りとなった。

 沖縄防衛局を通じて連絡を受けた宜野湾市は情報収集を進めた上で、米側や日本政府に厳重抗議する構えだ。 防衛省などによると、落下したパネルの大きさは縦約35センチ、横約45センチで、フェアリングは縦22センチ、横7センチで重さは不明。米側は詳細を明らかにしていないが、機体の外壁の一部の可能性がある。米軍は「落下物に有害物質は含まれておらず、人的・物的な被害はない」などと説明しているという。

 防衛局は琉球新報の取材に、7月に渡名喜島沖で同飛行場所属ヘリが鉄製コンテナを落下させた事故があったばかりだとし、「このような事案の発生は周辺地域の住民はもとより、県民に米軍航空機等の運用へ不安を与える」などと指摘。米側に原因究明と再発防止、追加の情報提供を申し入れたと説明した。本紙は在沖米海兵隊に事故原因について質問したが、13日午後10時現在、回答はない。

 事故を起こした機体かは不明だが、12日午後10時14分ごろと同11時30分ごろに、オスプレイが普天間飛行場に着陸したことが確認されている。航空機騒音規制措置(騒音防止協定)に違反する午後10時以降の夜間飛行が常態化しており、8日、10~12日の4日間、オスプレイが日付が変わる午前0時前まで飛行していた。

 米側からの通報を受け、外務省は13日、遺憾の意と原因究明、再発防止などを申し入れた。また、発生から連絡まで1日程度を要していることから、速やかな情報提供も求めた。

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