「今の棚橋に長期政権は厳しい…時代の変わり目だったのかな」ライガーが見た7・25鷹木戦

鷹木戦後、悔しそうな表情で引き上げる棚橋

獣神サンダー・ライガーが気になる話題やプロレス観を語る「獣神激論」。今回は7月25日東京ドーム大会の総括と、9月4、5日埼玉・メットライフドーム大会の展望を語り尽くす。飯伏幸太の代役で棚橋弘至(44)がIWGP世界ヘビー級王者・鷹木信悟(38)に挑むも惜敗した大一番に、ライガーが見たものとは――。

【世界のレジェンド ライガーが語る獣神激論(12)】東京ドームを欠場した飯伏君の代わりに棚橋選手がアピールして挑戦しました。やっぱり差が出ちゃったよね、今の勢いというか。内容的には棚橋選手がガンガン攻め込んだすごい試合だったと思うんですけど…ちょっと厳しいことを言うようで心苦しいんですが、やっぱり気になるのは年齢、それから足のケガね。キャリアだけではカバーしきれなくなってきたのかなって感じとれますよね。

僕は長く現役を続けられましたけど、幸運だったのは大きなケガがなかったんだよね。棚橋選手も体には気をつけていると思うけど、ヒザや足運びを見ていると…またシングルで長期政権や彼の時代を築くのは厳しいのかなって思ってます。現実に目を向けなければいけない部分は確かにあるからね。僕個人としては、もしかしたらあの試合は時代の変わり目だったのかなって振り返ってますね。

それくらい鷹木選手の今の勢いはすごいってことなんですよ。もうここまで成長してるんだって思った。僕から見たら鷹木選手が棚橋選手を掌(たなごころ)に乗せた感じだね。怖いね~、これ、どこまで行くんだろう。メットライフドームではEVIL選手が挑戦しますけど、鷹木選手のほうが有利かなって思う。この勢いは、EVIL選手は闇で覆いつくせないんじゃないかな。

それからメットライフドームで楽しみなのはやっぱり(高橋)ヒロム選手の復帰。試合勘というところで、どうだろうなって部分はありますよね。加えてヒロムとデスペラードが見られるのかと思ってたところを、(対戦相手は)まさかのロビー・イーグルスですから。ヒロム選手としてはどちらかと言えば、手の内を知ってるデスペラードよりやりにくい相手になるんじゃないかな。

これだけ勢いのあるLIJを立ち上げた内藤選手はIWGPタッグのベルトを東京ドームで失った。ある意味で赤っ恥ですよね。なのでメットライフドーム、内藤選手の逆襲も始まるんじゃないのかなって思ってる。意地を見せるには打ってつけの会場だと思うしね。あとタッグの3WAYでは成長著しいYOSHI―HASHI選手にも注目だね。

東京五輪では日本が過去最多の27個の金メダル。昔は日本人には無理と思われてた競技もあったけど、いまやどの競技でも世界のトップで戦えるようになった。日本人すごいなって改めて思った。五輪が終わって心に穴があいている人には、今こそプロレスを見てほしいね。もしかしたらそこには五輪以上の感動があるかもしれないよ!

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