コロナワクチン78回分を五島市が廃棄 80代に3回接種も

 長崎県五島市は13日、市内の医療機関で保管していた新型コロナウイルスワクチン(ファイザー製)13瓶78回分を廃棄したと発表した。冷蔵庫が常温となっており使用できないと判断した。また、市内の80代女性に誤って3回接種していたことも判明した。
 市国保健康政策課によると、11日午前8時、医療機関の職員が、ワクチンを保管する冷蔵庫の扉が数センチ開いており、温度が高いことに気付いた。前日夕方に冷凍室を開閉した際の反動で扉が開いたとみられるという。
 ワクチンは解凍後2~8度で保管するようになっているが、いつから温度が上昇したか分からないため、廃棄。接種予定者分は、市が追加で配送した。
 同市では、5月にも同様に19瓶114回分廃棄する事例があり、同課は「あらためて適切な管理を求めて再発防止を図る」とした。
 市内の80代女性は、医療機関で6月30日に1回目、7月26日に2回目の接種を受けていた。8月4日に女性を支援する介護事業所の職員が「(女性が)接種券を紛失している」と市に報告。市が接種履歴を確認せずに、接種券なしでも本人確認などで対応すると伝えたため、女性は同日、別の医療機関で3回目の接種を受けた。体調に異常はないという。
 同課は「原則は接種券を持参してもらうが、持っていない場合でも接種履歴の確認を徹底する」などとしている。


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